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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第二十二話 五十年後
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かってそう言った。そして――
「――まったく、なんて情けない顔をしとるんだ沖田!! 気合を入れんか、気合を!!」
そこに、居た。
夢でも幻覚でもなく、確かな現実としてその人はたっていた。
その眼光も、思わず居住まいを正してしまうその一喝も。全てがあの時のままだ。
「坂本――少佐……?」
「なにぃ? まさか分からんとでも言う気か? 主治医からはもう回復したと聞いていたが、どうもまだ気合が足りていないらしいな」
扶桑空軍の制服に身を包み、トレードマークであった眼帯を外した坂本少佐がそこにいた。
病院の中だというのに竹刀をもって、多分口答えをしたら叩かれてしまうだろう。
「まったく、少し見ない間に随分腑抜けたらしいな、沖田」
「あ、あの!! その……なんていうか……ええっと……」
言いたいことはたくさんあった。伝えたいこともたくさんあった。
なのに、その全てが同時に口から出ようとして結局上手く喋れない。もどかしさに息苦しささえ覚えたその時、開けっ放しになっていたドアから続々と人が入って来た。
「――ダメよ美緒。まだ病み上がりですもの。それに、病院で大声を出してはダメでしょう? ね、宮藤さん」
「そうですよ坂本さん。どうしていつも部下のお見舞いで怒鳴るんですか。もう……ここはわたしの病院なんですよ?」
五十年。その年月は果たして長かったのか、そうでなかったのか。
頭髪に白いものが混じり、顔に皺を刻むようになってなお、かつての風格と優しさは微塵も消えてなどいなかった。
「ミーナ中佐……宮藤さん……」
「ウフフ。今はもう中佐ではないのよ。なにしろ五十年も経ってしまったんですもの」
「ミーナ隊長ぜったい一人だけ歳とってないですよね……和音ちゃん、お久しぶりです。宮藤芳佳です。……わかるかしら?」
美魔女という言葉がそのまま当て嵌まるようなミーナ中佐。聴診器を首に下げた宮藤さん。希望通りお医者さんになって――そうか、わたしは宮藤さんの病院に入院していたのか。どうりで白衣を着て聴診器を持っているわけだ。
「五十年の間に随分変わってしまったものね。分からなくても仕方がないわ」
すこし寂しそうに笑って、二人はわたしの顔を覗き込んだ。息をすることさえ忘れていた私は、人形のようにカクカクと首を縦に振る。忘れるはずがない。何年経ったってわたしは絶対に覚えている。
「わたしの事分かる? 本当に? ああ、よかった。運び込まれたのがわたしの病院だったのもよかったわね。――みなさん、入って来ても大丈夫ですよ」
そういうと、次々に懐かしい声が病室に響き渡る。そのいずれもが、かつての雰囲気をそのままに
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