暁 〜小説投稿サイト〜
箱庭に流れる旋律
はい!歌い手が呼ばれました!
歌い手、湖に落ちる
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思うが、お前達にも変な手紙が?」

 あ、僕が聞きたかったことを金髪君が聞いてくれた。

「そうよ。でも、その呼び方は訂正して。わたしは久遠飛鳥よ。以後、気をつけて。そこの猫と一緒の貴女は?」

 なるほど、黒髪さんは久遠さん、ね。

「・・・春日部耀。以下同文」

 で、茶髪の子は春日部さん。今度、猫の名前も教えてもらおう。

「そう。よろしく春日部さん。次に、わたし達より先に落ちたと思ったら落ち着いて枝を集め始めて、火をつけて急に消えたと思ったら新しい服に着替えて出てきた貴方は?」

 あの状況でそこまで見てたの・・・?すごい落ち着いてるな。

「えっと・・・僕は天歌奏。年齢は十六で皆とそんなに変わらないと思うから、仲良くしてください」

 あれ、何か春日部さんが驚いてるけど・・・何か驚くようなこと、僕言ったかな?

「ええ、よろしく天歌君」
「あ、僕のことは奏でいいよ。もといたところでもそっちで呼ばれることのほうが多かったし。他の二人も、そっちでお願い」
「分かったわ、奏君。最後に、奏君とは正反対の、野蛮で凶暴そうな貴方は?」

 久遠さーん・・・貴方は思ったことをそのまま口にする人ですかー?もう少しオブラートに包まないと相手もいい気は・・・

「見たまんま、そいつとは正反対の野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃ったダメ人間だから、用法と要領を守った上で適切な態度で接してくれよ三人とも」

 しないわけでもなかった。それでいいのか、逆廻君・・・

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ。今度作っておくから覚悟しておけ、お嬢様」

 なんだか、この二人には似たところがあるよな・・・

「さて、自己紹介が終わってすぐに悪いけど、これからどうするの?」
「そうだな・・・普通は、招待状にかかれてた箱庭とか言うものを説明するやつが出てくるだろうし、それを待てばいいんじゃないか?」
「そうね。この世界について何も知らないままでは動きようがないもの」
「・・・・・・。この状況で落ち着きすぎるのもどうかと思うけど」
(全くです)

 ん?今声が聞こえたな。音の感じからして・・・

「ねえ、待ってて時間を無駄に使うくらいなら・・・あの草むらの陰にいる人にでも頼んで教えてもらわない?」

 あ、驚いて立ち上がった。にしても・・・これは予想外だったな。

「何だ、貴方も気づいていたの?」
「うん、全くですってつぶやくのが聞こえてさ。その様子だとそっちの二人もでしょ?」

 あ、女の子が驚いてる。まあ普通ならあの距離で音は聞こえないからね。

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?」
「風上にたたれたら嫌でも分かる」

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