第3話 学校の案内
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、一瞬背筋を震わせてこちらの方を向いてきた萌の姿が。
やはり今の目線は一般の人でも気づくほどの目力だったか。
しかし萌が振り向くとかなめはさっきの目力はどこへやら――兄の俺ですら可愛いと思ってしまう笑顔をしている。
(わ、我が妹ながら怖すぎる……)
萌もこんな笑顔の妹に何も疑いを感じなくなったのか、それとも気のせいだと思ったのか、こっちに向いたついでなんだろうが、普通に話しかけてきた。
「えっと……遠山くんとかなめちゃん。次は体育の授業なんだけど、二人は校内を見て回っていいんだって。二人ともジャージとかまだないでしょ?」
「あ、確か今日届く手配になってたな。そういえば」
「だから校内の案内してあげるよ。――というか転校生が来た時はそのクラスの担任の授業の時間に、クラスの委員長が案内するのが、この学校の仕来りなんだよね」
「なんだそれ……まあ、案内してくれるんだったら助かるよ。その案内の後に教科書を取りに行けばいいのか?」
「うん。かなめちゃんも大丈夫?」
「はい。大丈夫です」
……名前をつけたバスの時も思ったが、相変わらず敬語で猫被ってるな。
まあ、一般の高校じゃこれくらいがいいのかもしれないけどな。
「それじゃあ行こうか」
話が終わり、早速といった感じで案内をしてくれるらしい萌に、俺とかなめはその後ろについて行く。
すると廊下に出てから俺の背中に、トントン、トン、トントトン、と――かなめが英文モールスで『やるねぇお兄ちゃん!』と言ってきた。
なので同じように俺もかなめの背中に、『言っている意味がよく分からん』と返し、そのまま萌について行った。
その後、萌に体育館や生徒会室、職員室などを案内してもらい、最後に俺たちのクラスが授業をしているグラウンドに向かった。
萌の案内でだいたいだが、この学校の教室などの場所が分かった。
しかし――
グラウンド行くために階段を歩いていると、壁の掲示板には『インフルエンザ予防のため、うがいをしましょう』というポスターが目に入る。『銃の違法改造をするな』だのと張られていた武偵高とはまるで別世界だな。この学校は。
かなめも今まで自分の居た世界と違いを感じているのか、キョロキョロと学校を見ている。
そうやって階段を降り、靴を穿きかえ外に出てグラウンドに行くと――クラスメイトたちはサッカーをしていた。
「今日は男女混合でサッカーなんだ〜」
着いてそうそう萌がそんな事を言う。
「いつもサッカーじゃないのか?」
「うん。先生の気分でその日にやるスポーツが違うの。たまに教室で授業の時もあるし」
「他には何をやるの?」
案内の最中、萌に『歳は違うけど、同じクラスなんだか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ