第3話 学校の案内
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かなめが教える一時間目を終えての俺の感想……それは『やはり一般高校の授業は、結構難しい』――この一言だった。
かなめの教え方はアメリカ育ちなことがあり、とても発音の良く、さらに日本人の苦手な発音の出し方や覚えにくい単語などを詳しく教えてくれるなどで、他の生徒も真剣に聞いていた。
(……流石は人工天才だな……)
そう思いながら、かなめの授業を受けること数分経った頃。
俺もかなめとクラスメートが真剣に授業をしているのと、授業についてもいけてないのも加算してマジメに授業を受けようと思い、萌に教科書を見せてもらおうした瞬間――
――かちんっ。
(――S&W M19コンバットマグナム、4インチ!)
とっさにナナメ後ろでクラスメートの金属製の筆箱を閉じる音を、撃鉄を起こす音に聞こえて、バッ、と振り返ってしまった。
まずい……周りの生徒から「?」って顔で見られる。当然、隣の萌も。
そんな俺の振り返えった理由を一人分かっていたかなめは、何もなかったように授業を続けてクラスメートたちの気を俺から逸らしてくれた。
そんなかなめのフォローも虚しく俺は、授業中何回も椅子の擦れるおとなどに反応してしまった。
そして今、チャイムが鳴り授業が終わり、かなめが俺の席の後ろに歩いて来て座る。
席に座った後、白衣とメガネを外して俺に、
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「お前は席に着くなり、なんでそんな心配そうな声で聴いてくるんだ……」
周りの生徒がかなめに話かけようか迷っているのか、周囲がこちらに向いているので、かなめと俺は少し声の大きさを抑えながら話す。
「だって授業中に何回も反応してたでしょ」
「かなめだって少しは反応してたろ。目線がそっちに向いていたぞ。持ってた教科書でとっさに何回も隠してたけど」
「あ、バレてたぁ――えへへー」
なんで、かなめがこの学校にいるのか――などを聞く前に、かなめにツッコミを入れてしまったためか、そのままズルズルとたわいもない話をしてしまっていると、俺の言ったことに笑い始めた。
本当によく分からん妹だ。
「何で嬉しそうに笑ってるんだよ」
「だってお兄ちゃんがあたしの事を見てくれてたんだと思うと、そりゃー嬉しいよ。だってお兄ちゃん、音の方か――隣の女の方しか見てないと思ったからね」
最後の方はトーンがマジになり、ほんの一瞬だが背筋が凍るような目線で横を見る。
今の一瞬じゃ周りのクラスメートは気づかなかっただろうが、かなめと話していた俺はトーンなどの違いで目線が誰に向いたのか分かってしまった。
かなめにつられて俺も目線を向けられた方へ向けると――俺から席を離して教科書をしまおうとしていたらしいが
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