第三十三話 新たな道筋
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ってシンを連れて格納庫でのやり取りは見なかった事にする。
「取りあえずクラウから聞いた事を先に言っておくが、彼女はあくまでも連合の人間だ。エクステンデットの被害者と言っても拘束せざる得ない。とはいえ手錠のみではあるがな」
名目は捕虜に対する尋問であると言う事を忘れるなということらしい。シンとしては納得いかないが、そういう名目がないと面会出来ないらしく仕方が無いことだと一応は理解していた。
「ステラッ!」
「―――シン?」
感動の再会―――という訳ではないのだろうが、二人だけの世界に入っているのは確実だろう。マーレとしてもそれに入るような無粋な真似をするのもどうかと思い、部屋から退出しておく。勿論、入り口に待機はしているが。
「ステラ、大丈夫―――俺が守って見せるから……」
「シン―――ありがとう」
抱きついてお互いを離さないとばかりに抱きしめる二人。シンもステラもお互いの好意が恋愛感情なのか否かはわかっていない。もしかしたらそういったものとは違う感情なのかもしれない。
しかし、それでもお互いを大切な存在だと思っている事だけは確かだった。
◇
「脳波のプログラム?感応性の情報データ……しかも空間認識の把握能力も高まってる……だから即興であれ程の連携を見せたというのか?」
ルドルフとの言い争いもようやく終わり(結局、せめて取り付ける頭部はゴールデンカラーにするというルドルフ有利の折衷案で落ち着いた)、自室で以前のフリーダムとの戦闘データを解析していた。
インパルスのビームブーメランのタイミングも、エクスカリバーを放ち、後ろに下がった瞬間を狙ったヒート・ランスも、それを回避した先にセイバーが待ち構えていた事も総てが高度な連携によるものだ。まるで盤面から駒を動かしたかのような効率的な戦い方だった。
「そういえば、デストロイの時もそうだったな」
インパルスが投げたエクスカリバー。一見すればセイバーが合わせただけに見えるが、実際はそうではない。インパルスが計算して投げた方向、セイバーが前もって移動した位置、そしてデストロイの予測軌道―――彼らはまるでそれを読んで動いたかのような動きだ。
「やはり、これはNTなのか?」
かつて見たNT研究所のデータにかなり類似している。勿論、個人で調べる程度のデータでしかない為、確定できるわけではない。だが―――
「利用しない手はないだろうね」
個人的にはNTだから導き手となれなどと言う心算は無い。とはいえ使える手を使わない事などしない。新型機のデータを取り出す。
「ああ、最高に面白いじゃないか……これだから戦争って言うのは興味深い」
戦争ほど革新が起こりやすいものはない。兵器の進化は科学技術の進化となり、
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