旧校舎のディアボロス
第11話
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
放課後、イッセーを除く部員がオカルト研究部部室に集まっていた。
「みんな、集まったわね」
部長はまず俺たちに声をかけた。
「イッセーとアーシアは大丈夫?」
「はい、僕と小猫ちゃんで一晩見張ってましたが家の周囲に異常は見られませんでした」
「その間、基本的にアーシアはうちの練習部屋に居たので気づかれてないと思います。
今は、外出を制限しているくらいです。あの部屋だけにすると監禁しているみたいでいやなんで」
あの部屋の遮断性は部長や朱乃さんも大いに認めるほどの精度があるものだ。
すぐに見つかるのであればとっくの昔に俺の存在が見つかっている。
「そう」
続けて部長の例の教会の調査結果を知らせてくれる。
「あの教会は黒ね。堕天使全体ではなく個人が使っているようよ」
「そして、あの教会で何かしらの儀式を行うみたいですわ」
ここは悪魔であるグレモリー家が管理する土地。
そこに堕天使が侵攻してきた。それならば、堕天使全体を相手にしないといけない。
だが個人が侵入してきたのであれば、話は途端に小さくなる。
個人を相手にするただのケンカ、野良試合に変わる。
そのレベルの事は世界のいたるところで起きている。
「ということはすぐにでも襲撃に?」
祐斗が部長に問いかける。
「それでもいいのだけれども、万全の状態で挑みたいわ。もう少し調べて敵戦力を把握してからね。大体一週間以内。大きさ次第ではソーナにも協力してもらうわ」
部長がそう答える。攻めるのであれば準備を整えてから。当然のことだ。
そこに俺が申し出る。
「その時は俺も連れて行ってください。悪魔と堕天使の話ではありますが、イッセーの借りがあるので」
結果論として生きているとはいえ、相方が殺されたんだ。想うことはある。
「ええ、わかったわ」
方針がまとまったところで唐突に扉が開かれた。
「朔夜!部長!」
イッセーがものすごい勢いで入ってきた。
「アーシアが・・・アーシアが・・・」
全力で来たのだろう。息が上がっている。
「落ち着けイッセー。何があった?」
次の言葉に俺たちは唖然とした。
「―――――アーシアがさらわれたんだ!!!」
◇◆◇
事の発端は今から少し前、俺の家で起こった。
二人でリビングでテレビを見ていた時に天野夕麻、堕天使レイナーレが襲撃してきた。
イッセーは腹部を貫かれ人質にされる。アーシアは自分が戻ることを条件にイッセーの無事を願う。
レイナーレはそれに応じ、アーシアはイッセーを治療後連れて行かれた。
「クソッ!」
俺は座っていたソファーを殴る。
自分の見通しが甘かった。
よく考えればわかるはずだ。
あの部屋は教授特製で部長たちが太鼓判を押す精度がある。だ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ