終わり行く世界〜
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めでとうございます、シンカーさん」
「はは、ありがとうございます」
シンカーさんは今、新しいMMOトゥデイを作成しており、わたしも良く見ている。
「そう言えば和人さん、なんの話をしてたの?」
「いい加減離れろって。・・・《種》の話だよ」
「あ・・・」
以前聞いた。あの時茅場晶彦から託されたプログラムがあったと。それは“ザ・シード”冠せられたプログラム・パッケージだったそうだ。・・・つまりだ、回線の太いサーバとそのプログラムがあれば簡単に一つの仮想世界が誕生するそうだ。実際前のVRゲームは全て茅場が開発したものを元にしていて、ライセンス料はそれは素晴らしいモノだったらしい。アーガスが消え、レクトに権利が移行し、またレクトも解散し新しい引き受け先を求めたが・・・金額の大きさやVRゲームの社会的不安等もあってどの企業も手を出せなかったが・・・そこで権利フリーなザ・シードの出番だ。これを使えば危険がないことも証明され、今や凄い数の企業が手を出している。復帰は不可能と思われていたアルヴヘイム・オンラインもいくつかのベンチャー企業の関係者が共同出資で新たな会社を立ち上げ、レクトからほぼ無料の額でALOのデータを買い取り・・・新しいALOが誕生した。プレイヤーデータも引き継がれ、殆ど以前とは変わってない。技術が発達し、今ではキャラのゲームからゲームへのコンバートできる仕組みも出来つつある・・・凄かった。
「・・・なんか、凄い勢いで時代が変わるね。今じゃ普通のゲームが嘘みたいだよ」
「俺達にとってはVRゲームが普通になってるけどな」
「全くだね。・・・あのさ、和人さん」
「ん?」
わたしは和人の耳に口を近づけ、囁く。
「お礼、ちゃんと言ってないよね?・・・お姉ちゃんを助けてくれて・・・ありがとう」
「・・・よせよ、俺だけじゃないさ。亮やスグ・・・お前だって頑張ったじゃないか」
「こういうのは素直にお礼を言われればいいの。ありがとうございました」
「あ、ああ・・・どういたしまして・・・」
・・・笑顔があった。誰が見てもハッピーエンドな展開。物語の終焉。そう・・・
ーーーガチャン
・・・・・・何かが割れた音。この世界が、終わった・・・・・・
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