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SAOもう一人の聖騎士
追想〜灰色の流星〜
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、他の誰でもない、兄さんだったんだ!だから兄さん・・・・・・・、僕の・・・・・・・英雄よ!)

「僕にっ、力を貸してくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

しかし、無情にも蟷螂は彼の疾走に対応し、ブレードを振り下ろしていた。

(まずッ・・・・・・・!)

バギィィィン!

「新川君、前だけを見てなさい!」

超高精度の狙撃。ダインとペイルライダーが蟷螂のAIを誘導している間にシノンは狙撃体勢に入っていたのだ。流石に『予測線のない一撃』には対応出来ず、シュピーゲルを両断せんとしたブレードが砕け散る。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

灰色の流星が、蟷螂の胴体に巨大な穴を開けていた。

「やった・・・・・・・んだよな?」

ダインが呆然としながら呟く。目の前にあるのは、倒れ伏す蟷螂の残骸のみ。

「そうだ!斑猫はどこに行った!?」

慌てて周囲を警戒するが、人の気配は存在しない。

「そうか・・・・・・・じゃあ、早くログアウトして菊岡の野郎に報告しに行こう。出来れば、安全にグロッケンでログアウトしたいが・・・・・・・ってなにしてんすかシノンさん?」

隣を見ると、シノンがシュピーゲルにおぶさり、手足をシュピーゲルに絡ませていた。ダインとペイルライダーは一度見ているため気にしていないが、初めて見るクラディールからすれば奇行以外の何物でも無いだろう。

「?何って、新川君に送ってもらうのよ。それじゃ三人共、リアルでね〜」

気まずい雰囲気の中、逃げるように駆け出したシュピーゲルがどんどん小さくなっていく姿を見て・・・・・・

「「「嘘ぉぉぉぉぉぉ!?」」」

取り残された猛者達の絶叫が鳴り響く。

「ねぇ、シノン・・・・・・・」

「何かしら、新川君」

「また今度、兄さんの面会に行こうと思ってるんだ・・・・・・・その、シノンを紹介しに、ね?」

「うん・・・・・・・良いよ」

GGOに夜が来る。早くグロッケンに着かなきゃな、とシュピーゲルは走る速度を上げた。
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