一周年記念コラボ
Cross story The end of world...
〜第二層〜
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に切れ味を見せるために壁を切り刻もうとしたが、ここの壁は《心意》をもってしても浅い傷が付く程度だった。4人の中でもっとも殺傷力に秀でるレンという手札が封じられているこの状況を打破する手立ては―――、
「俺とゲツガの徒手空拳で骸骨剣士をやるしかない。……ゲツガ、骨砕けるよな?」
「いや、まあ……。やれない事は無いだろうが」
しかし、あくまでスポーツであった技で――化物とはいえ――『殺し』をするのはややきついかもしれなかった。
「来るぞ!」
リンとレンが渋々下がるのを傍目に見ながら貫手を放つ。
回転を加えられた『捻り貫手』と呼ばれるその技は人体に穴を穿つ為の紛れもない『殺傷技』だ。
骸骨剣士のあばらを粉砕し、その動きを止める。
「はあぁぁぁぁっ!!」
対するゲツガは動作の小さい手刀を骸骨剣士の鎖骨に叩き込み、体を入れ替えながらあばらに掌底を叩き込んだ。
(空手……?いや、何だあれは……?)
構えを直す時の見たこともない不思議な歩法はどこか太極拳の匂いがする。そこから直した構えは恐らくムエタイの構え、確か名前はタン・ガード・ムエイ。肩をすくめ、首を守るものだ。
襲いかかって来た骸骨剣士の錆び付いた剣を側面に手刀を叩き込む事で逸らし、膝蹴りからの前蹴りのコンボで後ろにいる骸骨をまとめて吹き飛ばす。
丁度ゲツガも虎口拳のような攻撃で敵を沈め、若干の余裕が出来た。
「なあ、ゲツガ。お前の武術って、具体的には何?」
「ん?ああ、基本はムエタイをベースに色々混ぜて総合格闘技にしたものかな?」
「なーる……」
対人戦闘に優れたムエタイならば人型である骸骨にもある程度は有効だろう。
(なら、大丈夫か)
今までのフォローするような動きを止め、俺は初めて構えを取った。
(何体居るか不明。こっちの体力は有限。ならば……)
後ろのリンとレンにそれとなく合図を送り向から了解の意を受けると、丁度向かってきた骸骨の腕を取り、勢いそのまま後ろに放った。
床に叩きつけられた骸骨は起き上がる前にリンとレンに始末される。
彼の取った作戦は、前衛のゲツガと俺が敵の大部分を引き受ける。しかし今までのように全部は引き受けず、少数の敵を見逃しリンとレンに倒させるというものだ。
2人の実力からして、剣やワイヤーが満足に扱えなくても少数の敵だったら対処は難しくないはずだ。階段の脇に骨の残骸が積み上がり、やがて骸骨剣士の大群も潮を引いていった。
(……ったく、意地悪ぃな。ここの主は)
塔に入った瞬間から感じる粘ついた視線。気のせいでは無いことはもはや明らかだ。
しかし、その視線がこの《刻の塔》の主である《魔女》で妨害をするならば、何故もっと真面目に妨害しないのか……?
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