暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
常盤台中学襲撃事件
Trick38_君は女性に乱暴をするんだね。だから殺す
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寮の屋上には信乃の幼馴染である
西折美雪が立っていた。

美雪も佐天に気付き、こちらに手を振って合図をしている。

『ニシオリが連絡していた。

 ニシオリの家の“近く”に平民(みゆき)が“偶然”いたそうだ。

 合鍵も“気まぐれ”で渡していたから、A・Tのホイールも部屋から
 取り出してもらい屋上で待機させていた』

「なるほど! あれ? なんだか言葉の所々に強調されている部分が?」

『気にするな。気にしたら負けだ』

「う〜ん、ま、いっか。 よっと!」

建物の間は5メートル。それを軽々と飛び越えて美雪の前に
ブレーキスピンをしながら止まった。

「佐天さん、お疲れ♪ はい、これ♪ あと、少しだけでも水分補給して♪」

「ありがとうございます!」

A・Tホイールが入っている鞄と、スポーツドリンクを佐天に手渡した。

渡されたのは背中に背負うタイプの鞄。

女性が出掛けるときに使う、皮で作られた小さな鞄で、
A・Tで走るのにも邪魔のない大きさだった。

おそらく信乃ではなく、美雪の個人用のものだろう。

“偶然”信乃の家の近くに学校帰りでいたのに、なぜプライベートで使う用の鞄を
持っていたのかは、緊急事態のため佐天は気付かなかった。

『速過ぎても信号のタイミングがズレる。1分間は、ここで休憩しろ』

「わかった、つーちゃんもありがとう」

今度もタイミング合わせが理由だが、休憩を貰えて一息ついた。

美雪からのスポーツドリンクを口に入れると、知らず知らずのうちにノドが
乾いていたようで、ゴクゴクと止まることなく一気に飲み干してしまった。

「プハッ! おいし! 美雪さん、ありがとうございます!」

「いいよ、私にはこれぐらいしかできないし♪

 ・・・・佐天さん、信乃からは緊急事態ってだけしか聞いてないの。
 もしかして信乃は戦ってるの? 佐天さんにお願いするぐらい切羽詰まってるの?」

「あの、私もよくわからないんですよね。アハハハハ・・・・」

本当のことを言って美雪を不安にさせない方が良いと考えて
佐天は嘘をついて誤魔化すように笑った。

「そっか、戦っていたらまた病院に来るかも知れないかな・・・・
 佐天さん、伝言お願いできる?

 もし怪我をしたら、カエルさんの病院に美雪がいるから、搬送先はソッチにして。
 あと、重症だったら私のCHI☆RYO☆Uが待ってるから楽しみに♪
 
 って」

「は、はい、わかりました・・・・」

美雪が信乃を重傷前提で考えているので、佐天は少し不安になった。

 なぜ怪我すると思うんですか? 信乃さんは強いから怪我しないと思いますよ

口にしかけた質問を聞く前に、位置外
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