天空闘技場編
飛行船で天空闘技場へ
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この世界の名作映画ってどう言うのだろう? ちょっと気になる。
ゲームコーナーと喫煙ルームは元の世界のソレと変わらないのか。
煙草の煙は私も嫌いだし分煙歓迎だけど、こっちの世界も愛煙家は大変だな。
モラウとか、煙草吸える場所が減ってて苦労してそうなイメージ。
思わずクスクス笑ってしまう。
売店は、おみやげとか軽食なんかを売ってる。
食事は別料金だったから、レストランよりココで買って食べたほうがいいかな?
ラウンジとレストランは中央の階層の最後尾。
大きな窓の外をゆったりと流れていく景色を見ながらゆっくりできそうね。
レストランの見どころ……水晶でできた自動演奏のグランドピアノ?
水晶でできたグランドピアノだと……!?
なんて、ファンタジー。
元の世界で、アクリルとかガラスで作った自動演奏ピアノなら見たことはあるけれど、これは一度見ておかねば。
とりあえず、最初の目的地はレストランに決定。
軽食ですまそうと思ってたけど、ここで食事もしてこよう。
――――――――バンッ
「……わっ!?」
思考の渦にハマり込んでパンフレットばかり見ていた私は何かにぶつかった。
そんなに勢い良くぶつかったわけではなかったのだが、受け身を取れずに尻餅をついてしまった。
こんな失態は、師匠にバレたら説教ものだ。
「ああ、申し訳ない!」
声と共に大きな手を差し伸べられて、私は顔を上げた。
個室の扉が開いてるから、その扉に私はぶつかったんだろう。一つのことに集中するとそれに気を取られる癖もなおさないといけないな。
問題は……この手の持ち主の男だ。
体を隠すゆったりとしたマントのようなものを羽織ってる。色素の薄い長い髪と薄紫色の切れ長の目がちょっと印象的。そして高身長で若く、イケメンと言って間違いない。
師匠だったら、間違いなく瞳をキラキラさせながら、猫をかぶって対応するであろう相手だ。
「お嬢さん?」
見上げたまま軽く固まっていたからか、再度彼は私に声をかけてきた。
「あ……大丈夫です。一人で立てますから」
差し伸べられた手を断って、立ち上がってスカートの裾を払う。
パニエで隠れてたから良かったけど、次からはもっと長いスカートのドレスにしとこう……。
「確認せずに扉を開けてしまって、本当に申し訳ない。私もまだまだ修行不足のようだ」
「いえ、単に前方不注意だった私が悪いので、そんなに気になさらなくても?」
身長差がかなりあるから、私は自然と見上げる形になって上目遣いになる。
なんか、見覚えがあるんだよね。この人。
どこでだっけ……?
なんか、引っかかってるんだけど思い出せない。
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