第三十二話 決別
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そして爆発が巻き起こる。
◇
「やれやれ、一足先に宇宙に上がることになるとはね……」
ネオは受けた指令を思い出しながら宇宙へと上がる。ファントムペインの部隊はその戦力を減らし続け、既に部隊は少数となっていると聞かされた。DSSDを攻めた部隊は母艦共々全滅。イタリア方面で新型艦に対し待ち伏せをしていた部隊も壊滅的な被害を受けたようだ。そして自分達もステラやスティングを失い、既にいるのはアウルとネオ自身、残りはごく少数の生き残りだけだ。
そうなると任せれる仕事も少なかったのだろう。宇宙へとあがり、極秘任務として廃棄コロニー改造を行う部隊の護衛らしい。
「ネオ、何で宇宙なんかに上がらないといけないんだよ。俺は、あの艦の奴等を!」
「すまないな、アウル。仕方ないことなんだよ―――だが、機会は巡ってくるはずだ。アイツ等だってプラントの危機となれば宇宙に上がってくることになるだろうからな……」
レクイエム―――その兵器の名だ。確かにこんな兵器が動き出せば終わりへと向かっていくことになるだろう。下手すれば前大戦の二の舞所かもっと悲惨な事となってもおかしくない。
「それに新型機、か……」
受領される予定の機体はその殆どが新型機だ。大型MAユークリッド。東アジア共和国から無理矢理奪い取ったらしいライゴウガンダム。その為に用意されたスペキュラムパックとカオスのデータを元にして用意されたドラグーンパック。他にも機体は用意されているらしく、この作戦に賭ける意地というものが見られた。
「ジブリールも必死なんだろうね〜」
今や世界はロゴスが敵と謳われている。勿論、彼等が死の商人である事には変わりないが、だからといって討つというのは些か短絡的ではないだろうか。そう思ってしまう部分もあるが、どちらにしても自分に出来る事は連合の人間として命令に従う事である。
そう思い、彼は宇宙へとあがって行った。
◇
「白のナイトは崩れ落ち、新たな力を得る為にクイーンが動き出す――――――フム、クイーンには宇宙の海で溺れてもらうべきかもしれんな」
ジブラルタル基地の格納庫の一室に彼は歩み寄る。暗がりの部屋の中でその様子を窺うことは出来ないが、MSが立っていることは明らかだ。
「ヴォワチュール・リュミエールを機動力としてではなく、武装として改良するデータ、ドラグーンの新たなる可能性―――年甲斐にも無く、はしゃぎたくなるな」
データ画面に映される機体の数々。しかし、これはあくまでも抽象的な事しか書かれていない。実際のデータはクラウ自身が持っている。データには赤い塗装を施されている一つ目の機体もいる。それを見てデュランダルは笑みを深めた。
「早いところ来て欲しいものだよ……」
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