第三十二話 決別
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レ、すまない―――」
マーレはシンと共に時間を稼いでやると暗に言っている。その気遣いが今はありがたかった。
『礼なんぞ言うな。無理だと判断したら討つからな』
「覚悟はしておけと、そう言いたいのだろう。わかっているさ」
◇
『クゥッ、やるな、フリーダム!ならば、これで決めさせて貰う』
「来るッ!」
ビームサーベルを持ってアレックのガルバルディαは勝負を賭ける。交差したのは一瞬だった。
『無念ッ!』
装甲の薄さが仇となり、牽制程度の攻撃によって崩れた体勢からフリーダムはカウンターを繰り出した。
辛くもラー・カイラムの部隊から勝利したキラ。しかし、彼の前に更に敵が立ちふさがる。
「アスラン!?」
ミネルバが現れた時点で彼が来る事は予想していた。しかし、今だけは、この戦いにだけは来て欲しくなかった相手だ。
『キラ、お前達が平和の為に、オーブの為に戦っている事はわかっている!だからこそ、投降してくれ!』
セイバーとフリーダムが交差する。サーベルの勢いは明らかにセイバーの方が上だ。しかし、それも当然だといえる。互いの勝利条件が違うのだ。キラはこの戦いはアークエンジェルを守りきって逃げる事だ。敵を倒す事が勝利に繋がるとはいえ、直接的に関係しているわけではない。
一方でアスラン達は逃げられる前に倒す事が条件だ(アスランに関しては確保を望んでいるが)。逃げられないように果敢に攻めなければならないのも当然といえる。
『キラ!俺達はすれ違っているが平和を望み、守りたいと願いあっている事は変わらない筈だ!なのに、そう思っている者同士が争いあって何になるって言うんだ!』
「でも、その君の望んだ平和と僕達の望んだ平和は本当に同じ景色なのかい?」
ボタンの掛け違えだったなら、確かにこの戦いは不毛としかいえない。だが、デュランダル議長の望んでいる平和はキラ達が望んでいる平和の様には思えないのだ。自分にとって都合の悪いものは消す。
今まさに自分達が討たれようとしているのも同じではないか?確かに、キラ達の望む平和は理想論だろう。思い描いている絵は何処までも遠い。でもデュランダル議長の平和はロゴスを討つという、すぐ側にある代替案による平和で世界を終わらせようとしているとしかキラは思えなかった。或いは、それを土台にして自らの野望の為に平和という言葉を利用しているのではないかと……。
「勝手な理屈なんだろうけど、僕等の望む平和とあのデュランダル議長の考える平和は違うんじゃないのか!」
『あってもいない相手に対して、どうしてそう思えるんだ!歩み寄ろうという気は無いのか!?』
レール砲でセイバーを吹き飛ばすが、セイバーはその瞬間ビームライフルによってフリーダムのビームラ
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