暁 〜小説投稿サイト〜
変人だらけの武偵高
7話
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
いということもないはずだ。それこそ、彼女程の実力者ならば。

「……そうね。パートナー候補なんだから、ある程度の説明はしておかないとね」

アリアは目を伏せ、大きく息を吐いた。

「けれど、これはトップシークレットよ。全部話せば最悪あなたは消される。だから、パートナーになってくれる保証のない今、話せることはかなり限定されるわ」

「構わない」

即答に、アリアも頷く。

「そうねーーどこから話したものかしら。あなたが今朝襲われた相手、通り名くらいなら分かっているわね?」

キンジの眉がピクリと上がった。

「ああ。武偵殺し……一時期武偵ばかり狙っていた爆弾魔。最近逮捕されたらしいがな」

「逮捕されたのは、私の母よ」

キンジの眉間に、深い皺が刻まれる。

「……なら、今回のアイツは模倣犯、ってことか?」

白々しく。分かっている癖に、そんな言葉を口にした。

「違うわ。今回のヤツは真犯人。私の母、神崎かなえは誤認逮捕よ。犯人に罪を被せられたの」

「そうか。まあ、そこいらの酔狂な模倣犯であのクオリティは、ちょっと無理があるかなとは思ったが……つまり、お前はその武偵殺しを捕まえるために、パートナーを欲していたと」

「三分の一、正解。及第点には程遠いわね」

赤点は回避出来たものの、優秀な彼女にとっては満足する値ではなかったようだ。探偵科Eランク武偵は頭を捻る。残りの三分の二を突き止めるべく。

(……駄目だな。今の俺じゃ頭が上手く回らん)

答えられない。キンジは降参、とでも言うように肩を竦めてみせた。
アリアは、まあ、ヒントが少なかったかもね、と横柄に締めて、答え合わせを始めた。

「武偵殺しはある組織の一員なの。名前は言えないけど、必要なら慈善事業でも犯罪でもする秘密結社よ。で、私の母はどういう訳か、そのメンバーたちにスケープゴートにされたのよ」

ほとほと呆れた、という様子でアリアは首を振った。
だが、元強襲科トップは見逃さない。その目の奥に、親族を貶めた連中に対する憤怒が渦巻いていることを。

「私の目的はその秘密結社の壊滅し、彼らの犯行を暴いて母の濡れ衣を晴らすことよ」

「なるほど。ーーただの武装組織じゃあなさそうだな」

「察しが良くて助かるわ。連中の中には超能力者(ステルス)も紛れてるらしいし、私だけじゃとても全部は捕まえきれないの」

ーー超能力者。
キンジは顔を顰めた。
彼の最も苦手とする分野の一つだ。星伽神社や武偵高の超能力捜査研究科、通称SSRなんかで研究されている超常の力……オカルトパワーだ。
俄かには信じ難いものの、超能力は確かに存在する。そしてそれは、大抵が厄介な相手だ。並の武偵では歯が立たない程度には。

「だから私
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ