暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第7話:過去に向き合うということ
[1/7]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

3人が研究所を出ると、ヒルベルトとA分隊の数人がゲオルグ達を待ち構えていた。

「おっ、出てきたな」

「ヒルベルトさん? なんでこんなところにいるんですか?」

手に腰を当てて立っているヒルベルトを見つけたゲオルグが声をかけると、
ヒルベルトはわずかに眉間にしわを寄せて口を開く。

「お前らが突入したきり全然連絡を寄越さないし、ようやく出てきたと思ったら
 お前ら3人は出てこないから、ミュンツァー隊長に言われて
 俺が出迎えに来たんだよ」

「えっ!? 僕は連絡入れましたよ」

「本当か? じゃあ、通信に問題があったのかもしれないな。
 とにかく、シャングリラにはお前らの状況がリアルタイムでは伝わって
 なかったらしい。さっき、ルッツ曹長が艦長と隊長に説明してたぞ」

「そうですか・・・。 じゃあ、すぐにでも連絡を入れないといけませんね」

「そうだな。 そうしたほうがいいと思うぞ」

ヒルベルトとの話を終え、ゲオルグはシャングリラへ通信を繋ぐ。
最初はオペレータの女性が画面に現れたが、すぐに厳しい表情の
ミュンツァーが現れた。

『おい、シュミット! 突入したら適宜連絡入れろ!』

「すいません。 連絡は入れたつもりだったんですが、通信不良だったみたいです」

『それはルッツから聞いた。 だが、通信不良なら伝令を出すなりなんなりで
 連絡を確保せんか』

「通信が通じていないこと自体に気づいていませんでした。 すいません」

『なっ!』

ミュンツァーは今にも怒鳴りだしそうな顔で拳を震わせていたが、
しばらくするとフッと表情を和らげる。

『まあ過ぎたことをとやかく言っても仕方あるまい。
 お前も反省しているようだからこれくらいにしておくが、
 今後は連絡の確保に努めるように。いいな?』

「はい。 わかっています」

『よろしい。 では艦に戻すからな』

ゲオルグが頷くとシャングリラへの転送が始まり、数瞬後には転送装置室に
ゲオルグたちが立っていた。

「ふぅ。 無事に終わってよかったですね」

安堵の息をもらしながらゲオルグがそう言うと、クリーグが頷いた。

「そうですね。 結構ハードな戦闘もありましたけど、怪我人も出さずに
 すみましたし」
 
「まったくだ。 ま、連絡不徹底の不届きな分隊長も居たけどな」

クリーグに続いてヒルベルトはそう言いながらゲオルグの頭を
わしゃわしゃとかき回す。
ヒルベルトの行為に機嫌を急降下させたゲオルグは、唇を尖らせてヒルベルトに
鋭い視線を向ける。

「それについては反省してるって言ったじゃないですか」

「その言葉はさっきも聞いたけど、お前ってそれについては前科持ちだからなぁ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ