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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第7話:過去に向き合うということ
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うと、フェイトは首だけで振り返ると首を振る。

「だから、フェイトさんじゃなくて ”フェイト”って呼んで欲しいんだ」

「わかったよ、フェイト」

ゲオルグがそう呼びかけると、フェイトはにっこり笑ってから部屋を出た。





部屋着から制服に着替えたゲオルグが会議室に入ると、
ミュンツァー・ヒルベルト・フェイトの3人が待っていた。

ゲオルグはヒルベルトとフェイトの間にある空いた席に座ると、
正面に座っているミュンツァーに向かって頭を下げた。

「お待たせしてすいませんでした」

「いや、いい。 もう大丈夫か?」

ミュンツァーが心配そうな顔で尋ねると、ゲオルグは小さく頷いた。

「はい、大丈夫です」

「そうか・・・。なら本題に入ろうか」

ミュンツァーはそう言うと、テーブルの上に組んだ両手の肘をつく。

「中で何があったのか教えてくれ」

「中で何があったのか・・・ですか?」

ゲオルグが首を傾げて尋ね返すと、ミュンツァーは小さく頷く。

「そうだ。 まあ、戦闘についてはルッツから聞いているから、
 お前らがあの中で何を見つけたのか・・・だな」

ゲオルグはどう答えたものか迷い、隣に座るフェイトの方に目を向けた。
フェイトもゲオルグの方に目線を向けていたので、ゲオルグと目が合った。

[どうしようか、フェイト]

[ゲオルグの方から話してよ]

[わかった]

念話での短い会話を終えた二人はお互いに小さく頷き合うと、
揃ってミュンツァーのほうに目を向けた。

「研究区画の奥で2人の女性を救出したあとに、僕とフェイトは別れて
 調査をしたので、まずは僕の方から話しますね」

ゲオルグはそう言うと一度咳払いをして部屋の中にいる3人の顔を見まわした。

「僕の方は僕らを襲ってきた猛獣の方が気になったので、そっちを調べてました」

「猛獣を? 何が気になったんだ?」

隣に座ったヒルベルトに尋ねられ、ゲオルグはそちらに顔を向けた。

「ヒルベルトさんは半年くらい前の任務のことを覚えてますか?」

ゲオルグが尋ねると、ヒルベルトは宙に視線をさまよわせる。

「半年前? っていうと、あれか? 生物兵器の開発をやってた・・・」

「そうです。 僕たちB分隊が巨大な狼の化け物と戦ったあれですよ」

「おお、覚えてる。 だが、それがどうしたんだ?」

ヒルベルトはそんな話をゲオルグが切り出した理由が判らず、
首を傾げながらゲオルグに尋ねる。

「今回僕らが戦った猛獣の額にも似たようなものが埋め込まれてました。
 レーベンに簡単な分析をさせたところ、今回のは前とは違って
 魔力が封じられたもののようですけどね」


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