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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第7話:過去に向き合うということ
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のは逆効果では?」

クリーグの言葉にミュンツァーが頷く。

「俺も同感だな。シュミットが自分で言ってたように、少し休ませれば
 すぐ元に戻ると思う。 謝るのはそれからにしとけ」

「了解です」

ヒルベルトはそう言って頷いた。

「あの・・・、ゲオルグの過去ってなんですか?
 ゲオルグの過去に何かあるんですか?」

フェイトが首を傾げながら尋ねると、ミュンツァーは渋い顔で頷いた。

「私にも教えてもらえませんか?」

フェイトがそう言うと、ミュンツァーはしばらく悩んだ末に頷いた。

「いいだろう。 だが、この話はゲオルグの前に限らずあまりするなよ」

ミュンツァーはそう言うと、ゲオルグの初任務について話し始めた。
ミュンツァーが話し終えると、フェイトは辛そうな表情を浮かべていた。

「そんなことがあったんですか。 それで納得しました・・・。
 ゲオルグはまだその失敗を引きずってるんですね」

「まあな。 普段仕事をしてると忘れがちなんだが、あいつはまだ
 普通なら現役士官はおろか、訓練校にも入れない歳なんだ。
 それであんな経験をしたんだから引きずるのも無理はないと思うね、俺は。
 お前も思うところがあるんじゃないのか、ハラオウン?」

「ええ、まあ・・・。
 でも、10代前半で士官って管理局では結構居ますよね。
 ゲオルグが特別ってわけじゃないと思うんですけど・・・」

フェイトはミュンツァーの意見に納得できないのか、難しい顔をして食い下がる。

「まあな。 だがそれが普通ってわけじゃない。
 多感な時期に生と死の間にいるってのは、あまりいいことではないと思う」

ミュンツァーはそう言うと、大きくひとつ息を吐いた。

「まあ、それは置いておいてだ。 現地で何があったのか聞かせてもらおうか」

ミュンツァーの言葉にヒルベルトは頷いたが、フェイトは首を横に振る。

「すいません、少ししたら行きます」

そう言ってフェイトはゲオルグが歩み去った方に向かって足早に歩いて行った。





その頃、ゲオルグは自室のベッドにうつぶせに倒れこんでいた。
ベッドの周囲には制服や下着がだらしなく脱ぎ捨てられている。

(うぅ・・・痛いところをつかれたから逃げ出すなんて・・・カッコ悪ぅ)

全裸で枕に顔をうずめたゲオルグは自己嫌悪に陥っていた。
ベッドに敷かれた白いシーツはゲオルグが部屋に戻ってすぐに浴びたシャワーの
湯を吸って濡れる。

(やっぱり、まだダメなのかな・・・)

枕から顔を上げたゲオルグは机の上に置かれた写真に目を向ける。
濡れた金髪がその額に張り付いていた。

(情けないな・・・)

大きなため息をつくと、ポフッと
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