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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第二十一話 オペレーション・マルスA 〜終幕〜
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――これで思い残すことは何もない。あとはただ、己の務めを果たすだけだ。
「――それじゃあ皆さん。また、50年後の世界で」
和音は後ろを見なかった。後ろを見たら、二度と飛べない気がしたから。
この時、和音は確証もないというのにただ直感だけで悟っていた。この戦いが終わった時、自分はきっと未来に帰るのだろうと。
その時は、真っ先にこの501の皆に逢いに行こうと、そう固く心に誓って――
「――第501統合戦闘団所属、沖田和音。出撃しますッ!!」
そこから先は、まさに一瞬の出来事だった。
轟雷の如き唸りをあげる双発ターボファンエンジンが和音の体を空へと押し上げ、魔法力を全開にした和音の体からは、魔法力の残滓が淡い燐光となって溢れ出ていた。
「はああァッ!!」
流星の如き勢いで蒼天を裂く和音の目には、比喩でも何でもなくあらゆる敵が静止して見えた。音の壁を容易く突き破り、持てる火力の全てを惜しみなくぶちまける。猛然置押し寄せる津波のような大軍勢を跳ね除け、和音は一心に大和を目指した。
(あと少し……あと少し……!!)
今となっては惜しむ必要もないミサイルを全弾ぶちまけて前途を阻むネウロイを一掃し、なおも追いすがる残党をバルカンの斉射で薙ぎ払う。鬼神の如きその戦いぶりは、宮藤や坂本らの目にもはっきりと焼き付いた。
「邪魔を……するなッ!!」
大和への到達を阻止せんと溢れ出るネウロイを烈風丸の抜き打ちで斬り捨てると、和音はそのままの勢いで大和の艦橋を突き破って内部に侵入する。そこはまさに魔導ダイナモの中枢であり、これを再起動させることこそが勝利への条件だった。
「いくぞ……!!」
手にした烈風丸を魔導ダイナモに突き立てると、和音は渾身の魔法力を流入させる。
意識が何度も飛びそうになり、そのたびに唇を噛んで引き戻す。一体どれだけの魔法力を注ぎ込んだかわからなくなったその時、魔導ダイナモの炉心に灯が入った。
「そう、いい子だからそのままだよ……」
再び鼓動を開始した大和は、遂にその主砲をネウロイの巣へと突きつける。
エンジンの出力が臨界へと達するその直前、和音もまた艦橋の外に躍り出て烈風丸を振りかぶっていた。
(これで、全てが終わる……!!)
もはや絞りかすも同然の魔法力を全て烈風丸に注ぎ込む。
大口径の主砲の斉射と、超至近距離からの魔力斬撃による多重攻撃。さしものネウロイもこの威力には耐えられまい。
「あああああああああああああ!!!!」
遂に刀剣としての形状を視認することすら叶わなくなるほどの眩い魔力光に包まれた烈風丸を、和音は大上段に振りかぶる。
そして――
「はあァッ!!!! 烈風斬――――ッ!!!!」
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