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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第二十一話 オペレーション・マルスA 〜終幕〜
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「そうか、間に合ってくれたか……」
空母天城で指揮を執る杉田艦長は、そう言って大きく息を吐いた。
連合艦隊の指揮を任され、大和を切り札に仕立て、あらゆる準備を今日この日のために行ってきた。しかし、戦場に絶対はない。万全の布陣で挑む今この瞬間さえ、杉田の胸は押しつぶされそうなほどの重圧に晒されていた。
「連合軍の威信をかけた作戦だ……何としても成功させねば、我々には後がない」
「魔導ダイナモの機動が上手くいけばよいのですが、あんなものを大和に載せてよかったのですか、艦長」
「……………………」
『魔導ダイナモ』それは、連合国が本作戦に置いて決戦兵器と位置づけた装置の名だ。
かつてブリタニアで501統合戦闘航空団が戦っていた頃、ネウロイを人工的に制御するという試みがあった。ウォーロック計画と呼ばれたそれは、結局主導者本人の失策により頓挫するも、その後の研究でさらなる発展に成功。短時間ではあるものの、完全な制御下でネウロイ化を行えるようになったのだ。
それが、魔導ダイナモである。
「魔導ダイナモによってネウロイ化した大和による単艦突破での主砲斉射……海軍史上でも前例のない前代未聞の作戦です」
「……言うな。もはや我々に残された道はこれしかないのだ」
苦々しく言った杉田は、天城に曳航される大和を見る。魔導ダイナモ運用のために乗員は全て赤城へ移され、作戦海域までも天城が引っ張って行くことになる。
あとは敵へめがけて突撃するのみだ。
「艦長、一番艦が被弾!! 敵小型ネウロイが無数に接近してきます!!」
「いよいよ始まりおったか……!!」
帽子を深くかぶりなおした杉田は腹の底から声を張り上げる。
「全艦対空戦闘用意!! 主砲、対ネウロイ用砲弾装填急げ!! 奴らの手からヴェネツィアを奪還するのだ!!」
ついに鳴り響いた決戦の砲火は瞬く間に海を埋め尽くし、黒煙が空を覆う。
それはまさに、人類とネウロイの本気の潰し合がついに始まった瞬間だった。
「はじまったわね……!!」
「ああ、いよいよだな」
隊列を組んで航行する連合艦隊が砲撃を開始したのを、ミーナは素早く察知した。
瞬く間に辺りを埋め尽くす轟音に負けぬよう、精いっぱい声を張って指示を飛ばす。
「単独行動は絶対に避けて。二機編隊を組んで大和を護衛します!! 全機散開!!」
「「「了解!!」」」
未だ十代の乙女とは言え、彼女らも激戦を潜り抜けた立派なエースだ。素早く戦況を読み取ると、二機編隊を組んで雲霞の如き大軍勢へと突貫していく。嵐のように激烈なネウロイのビームが空域を埋め尽くし、応戦するウィッチらの機銃が金切り声をあげて弾丸を吐き出す。
「行くぞ、ハルトマン!!」
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