第九章 双月の舞踏会
第七話 スレイプニィルの舞踏会
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レイプニィルの舞踏会のことで少し話があるのよ」
「わかった」
「じゃ、わたし先に行っているから、直ぐに来てね」
士郎の返事を聞いたルイズは、椅子から立ち上がり自分の部屋に向かって歩き出した。
「ルイズ、待たせたか」
「ううん。丁度みんな来たところよ」
「は? みんな?」
士郎が部屋の中に入ると、そこには部屋の主であるルイズを含めた四人の女性の姿があった。
「…………」
「何帰ろうとしてるのよ!」
「いや、つい」
開けた扉を黙って閉じようと士郎だったが、ルイズの怒声に止められる。
「ついって……まあ、気持ちは分からないでもないけど、別に獲って食いやしないよ」
「いや、こう勢揃いされると流石にな」
士郎が部屋に入り頭を掻くと、カトレアが頬を手を添えて笑い声を上げた
「あら? とっても楽しいですわよ」
「「「「…………」」」」
シンっと一瞬静まり返った部屋の中で、カトレアの小首かこてりと傾げる。
「あ〜……まあ、いい。で、話って一体何だ?」
「ちょっとスレイプニィルの舞踏会についてね」
ルイズのベッドに腰を下ろしたキュルケが、その長い足を組みながら士郎に笑い掛けた。
「シロウはスレイプニィルの舞踏会についてどれくらい知っているんだい?」
「マジックアイテムで変身した理想の人物の姿で参加する舞踏会ってぐらいだな」
ロングビルの問いに、士郎は扉の隣の壁に寄りかかった姿で返す。扉のすぐ隣にいるのは、決して直ぐに逃げられるようにするためではない……筈だ。
「まあ、その通りだね。『真実の鏡』で理想の姿で参加する仮面舞踏会、それがスレイプニィルの舞踏会。でだ、顔だけでなく姿形まで全く変わるわけだけど。それでちょっとしたゲームでもしようかと思ってね」
「ゲーム?」
嫌な予感に士郎の身体がずりっと扉に近づく。
「そう、シロウが変身したわたしたちを見つけ出すというゲームよ」
「……ほ、ほう。それは、それは……」
「何逃げようとしているんだい」
ずりずりと背中に壁をつけながら扉向かって進んでいた士郎だったが、先回りしたロングビルが扉の前に立つ。
「……そのゲーム、俺は―――」
「もちろん強制参加よ。っていうか、士郎が主役のゲームだし。士郎がいなかったら意味がないわよ」
「何で俺がそんなゲームに参加しなくちゃいけないのか、その理由を聞いてもいいか?」
諦めたように溜め息を吐いた士郎が、部屋にいるルイズたちを見回す。
最後に士郎の目に止まったルイズが、一歩前に出ると胸を張り口を開いた。
「特に理由はないわ」
「……おい」
士郎の攻めるような視線を受けたルイズは、うっと押し黙る。
ルイズ
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