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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第三十五話
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後、エルベ藩王国軍は第三次攻撃を開始したのである。
「突撃ィッ!!」
『ウワアァァァァァァーーーッ!!!』
エルベ藩王国軍は雄叫びをあげながら突撃を敢行した。それを視認した日本軍は迎撃を開始する。
「撃ェッ!!」
後方に陣地を構える三八式野砲が砲撃を始めて第三次攻撃を妨害するが、エルベ藩王国軍は味方の屍を乗り越えて突き進んだ。
「撃ェッ!!」
小銃や軽機関銃も射撃を始めた。六.五ミリ弾が兵士の命を刈り取る。
「今度こそ異世界の軍を攻め落とすのだッ!!」
へルマンがそう吠える。既にエルベ藩王国軍の兵力は底を尽き、この第三次攻撃に全てをかけていた。
しかし、彼等に勝利の女神が微笑む事はなかった。突然、大きな爆音が響いてきたのだ。
「な、何だこの音はッ!?」
「異世界軍の後方上空に多数の飛翔体ですッ!!」
日本軍の後方から飛来してきた飛翔体は徐々に大きくなり、姿を現したのである。
「陸軍飛行隊だッ!!」
「味方機だッ!!」
上空を見上げていた陸軍兵士が歓声を上げた。飛来してきたのは九七式戦闘機二十機、九九式襲撃機二十機、九七式軽爆撃機同じく二十機であった。
「おぉ、いやがるいやがる。全機攻撃だッ!! 徹底的に叩けェッ!!」
九七式戦闘機が急降下をして機銃掃射をする。七.七ミリ弾はエルベ藩王国軍の兵士の命を刈り取る。
そして九七式戦闘機の後方から九九式襲撃機と九七式軽爆撃機が五十キロ、六十キロ小型爆弾を投下してエルベ藩王国軍兵士を吹き飛ばした。
「な、何だッ!? 爆発の魔法かッ!!」
へルマンは動揺する。その時、伝令が駆け込んできた。
「ほ、報告しますッ!! 我が軍の後方にデュラン殿配下の軍団が展開していますッ!!」
「な、何だとォッ!!」
伝令の報告にへルマンは吠えた。デュラン配下の部隊約一万はエルベ藩王国軍に気付かれぬように両翼へ展開していた。
「馬鹿息子の引導を此処で渡すッ!! 全軍突撃ィッ!!」
『ウワアァァァァァァーーーッ!!!』
デュラン軍が雄叫びをあげながら突撃を敢行した。
「へ、陛下ッ!! 如何なさいますかッ!!」
「ふ、防げッ!! 防ぐんだッ!!」
その時、一機の九七式戦闘機が急降下してきて機銃掃射をした。狙われたのはへルマン達だった。
「ぐゥッ!?」
へルマンは右脇腹を貫通する重傷を負って馬から落馬した。
「……ぅ……」
へルマンは薄暗くなる意識の中、負けた事を漸く悟ったのであった。
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