暁 〜小説投稿サイト〜
『曹徳の奮闘記』改訂版
第九十八話
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「……暇が欲しいのか?」

「……何れはです。今は時期では無いですが」

 ……成る程な。

「頭の回転が早い司馬懿の事だ。蜀が仲に侵攻した時に言うのかな?」

「……王双殿には敵いませんね。御願い出来ませんか?」

「……理由は?」

「……本当は私、引きこもりなんです。家でずっと本を読んで過ごしたいんです」

 ……ニートか。

「なら曹操に与していたのは……」

「あれは曹操が私の能力に目を付けて無理矢理軍に入らせたんです。母親は喜んでましたが……」

 成る程ねぇ。

「判った。一応頭の中には入れておくよ、ただ……」

「判ってます。本当に暇が頂けるかは難しいかもしれません。ただ頭の中には入れてほしいのです」

「判った」

「ありがとうございます」

 司馬懿はそう言って俺に頭を下げた。



「邪馬台国から使者が来た?」

「はい、仲の力を貸してほしいのです」

 雪風はそう言っているが……これって邪馬台国が魏に支援を求めたあれか?

 年代は忘れたけど、確か鏡とかを邪馬台国に送ったはずだ。

「使者は玉座か?」

「そうです。まだ私も会ってませんが……」

「なら行くか」

 俺達は玉座に向かった。



「そうか、狗奴国との対立で味方がほしいと?」

「は、率直に言えばその通りです」

 玉座に着くと美羽と邪馬台国の使者二人が面会をしていた。

「あッ!?」

「どうした雪風?」

 雪風が不意に使者を見て叫んだ。

彦五十狭芹彦命(ひこいさせりひこのみこと)様と稚武彦命(わかたけひこのみこと)です」

 ……誰だ?

「卑弥呼様の弟様です」

「卑弥呼の弟……ってまさか桃太郎のモデルの皇子かッ!?」

 嘘だろ……待てよ。てことは……。

「卑弥呼は倭迹迹日百襲媛命(やまとととびももそひめのみこと)なのかッ!?」

「は、はい。そうです」

 ……マジで?

「そ、それなら卑弥呼の父親は大日本根子彦太瓊尊(おおやまとねこひこふとにのみこと)なのか?」

「そうです」

「……嘘だァッ!!」

 思わず叫んだ俺は悪くない。決して悪くない。

「先程から何じゃ長門?」

「済まん……さっきから信じられない出来事が起きて倒れそうなんだ」

 俺は美羽にそう言った。だって桃太郎のモデルの皇子だぞ?

 しかも卑弥呼の父親は欠史八代の大日本根子彦太瓊尊(おおやまとねこひこふとにのみこと)――孝霊天皇なんだぞ?

 なお、欠史八代とは『古事記』・『日本書紀』において系譜(帝紀)は存在するがその事績(旧辞)が記されない第二代綏靖天皇から第九代開化天皇まで
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ