9部分:第二幕その一
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いたわ」
「わしをですか」
「ええ」
夫人は気品のある物腰で静かにフィガロに対して答えた。
「そうなのよ」
「何の御用件かはわかっています」
彼は明るく夫人に答えるのだった。
「何の御心配もいりません」
「そうなの?」
「伯爵様の浮気性はいつものことですね」
「ええ、まあ」
だからこそ困っているのである。
「それでこっそり領主権をと考えてもおられるようですが」
「あれは御伽話ではなくて?」
「まあ流石にそれは無理でしょう」
フィガロもそう見ていた。
「それでも浮気心はおありですから」
「どうするの?」
「スザンナがその気になれば」
「そんなことは有り得ないわ」
スザンナは少しムキになってフィガロに返した。
「私はそれは絶対に」
「そう。しかし伯爵様はロンドンに私とスザンナを連れて行く」
「ええ、それはもう聞いているわ」
夫人もこのことは知っていた。
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