旧校舎のディアボロス
第09話
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近いですし、あの部屋ならごまかせます」
魔法の練習部屋。あそこなら気配が漏れることもないからあそこに籠れば何とか凌げる。
それにただ逃げるだけならやりおうもある。
だがその前に
「アーシア。君はどうする?」
アーシアに声をかける。
「え?」
アーシアはいきなりの事に戸惑っている。
「サクヤ!何をしているの!?」
部長が言ってくるが無視させてもらう。
「あの神父が居る所に戻るか俺たちの所に来るか。別に悪魔になれってわけじゃない。俺自身悪魔じゃないし」
この子は俺たちをかばってくれたんだ。イッセーなら何も言わずにつれていくだろうが俺は意志を尊重する。
「どうする?」
一秒ほどの沈黙。そして
「・・・私を連れて行ってください」
アーシアがそう言った。
「何言っちゃってんのこのクソアマ!そんなことされたら俺が堕天使の姉さんに何言われるか!」
フリードが突っかかってくる。
「神父なら、他人の意志を尊重しろ。ウィンドカッター!」
フリードに向けて風の刃を放つが先ほどと同じように躱す。しかし
「・・・えい」
「アイタッ!」
躱した先を狙って小猫がタンスを投げ命中させる。頭に当たったため気絶したようだ。
「部長、俺とアーシアは自宅に逃げます。すぐにケータイに連絡を入れますので」
「ああ、もうしょうがないわね。後で話を聞かせなさい!」
部長はそういうとイッセーやほかのメンバーを連れて転移をする。
「朔夜!アーシアを頼む!」
転移する直前にイッセーがそう叫んでいた。
「俺たちも急いで逃げるぞ!」
そういうとアーシアの手をつかみ、呪文を唱える。
「我は色を無くす。我は光を無くす。我が姿は世界より消える!インビジブル!」
自己透過魔法。正直これが通用するか分からないが無いよりはましだ。
そのまま、アーシアの手を引き走り出す。
そのまま見つかることなく自宅まで辿りついた俺はすぐさまアーシアと魔法の練習部屋に逃げ込み、透過を解除する。
「ふぅ、これで大丈夫だといいが」
俺は安堵の溜息を吐いた。少し様子を見ないと分からないがとりあえずは大丈夫なはずだ。
「・・・どうして私を助けたのですか?」
「さっきも言ったが、助けてくれた知人を見過ごすことはできない。それに、あのままにしておけばあの神父に何をされていたかもわからないしな」
恩をあだで返す趣味は持ち合わせていないし、知らない仲でもない。なら助けるのが俺だ。
まぁ、この辺りはイッセーの影響だ。
「ありがとうございます」
アーシアは御礼を述べる。
御礼を受け取ると俺は部長に連絡を入れる。部長は時間を少し開けて家に来るそうだ。
彼女には聞きたいこともあるが今は部長たちが来るのを待つ。話はそれからだ。
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