第八話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「何だ……今のは……」
発砲音とともに何かが男達のすぐそばで着弾したが、飛んできたのは鉛球ではなく別の何かだった。
鉛球がとんできたならただ単にはずしたと言えるのだが、とてもそうは思えない。なにか意図的なものなんだろうかと男は考えていた。
(まあいい、とにかくまずは風見幽香を抑えるのが最優先だな)
謎の発砲音はほかの男達に任せ、腕に取り付けたキーボードをたたいていく。
そんな中目の前にいたメディスンが不穏な動きを見せていた。
「……うぅ……あぁ……」
(なんだ……!?)
メディスンは、いきなり頭を抱えてうなりだすと、そのまま意識を失ったかのように地面に倒れていった。
突然の出来事に、キーボードを操作していた男はその手を止めて唖然としていた。別に自分が何かをしたわけではない。かと言って、いきなり誤作動を起こすようなことはないはず。
「なぜいきなり……!」
不思議に思っていた男だったが、さっき起こった出来事を思い出した瞬間、何かを悟ったように目を見開いた。
突如鳴り響いた発砲音とともに放出された空気。あれがもし空気でなかったなら……メディスンが不自然な行動とともに倒れた理由も証明できる。
男にはその空気のようなものが何だったのか、あらかた予想がついていた。
「電磁パルス……だったのか?」
電磁パルスとは、雷などから発生するパルス状の電磁波である。略称としてEMPと呼ばれているため、こっちのほうが馴染みがあって電磁パルスとは頻繁に使われることは少ない。
だが、EMP自体は研究が進められており効果も証明されているものの、実用化されているわけではない。幻想郷なら能力によって実現は可能だろうが、外の世界で成功していない技術が幻想郷に伝わっている可能性は少ない。
(どういうことだ……外来人が敵にいるというのか? しかし、あの少年はすでに死亡したはず……裏切り物も、それに担ったことはできないはずだが……)
革命軍の情報では、俊司は再思の道にあった革命軍の拠点にて、クルトの手によって殺害されたということになっていた。また、革命軍を脱退し幻想郷側に手を貸している悠斗も、能力をみてそんなことができるわけがない。
なら、本当に幻想郷の人間がEMPに変わる何かを作っていたのか。ならさっき鳴り響いた発砲音はなんだったのか。不自然な状況をゆっくりと解明していく。
だが、男達に考える時間なの与えられてはいなかった。
「うわあ!?」
「なんだ!?」
急に一人の男が叫び声を上げると、腹部を抱えながらその場に倒れこむ。
一瞬わけがわからず呆然としていた男達だったが、倒れた男の前を見た瞬間、血相を変え
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ