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流星のロックマン STARDUST BEGINS
星屑の覚醒
1 出会い
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女子生徒は駆け寄ってくる。
そして彩斗を連れて保健室へと入っていた。
本来なら振り払うところだった。
自分につき纏って欲しくない。
いつかは手のひらを返され、裏切られ、心にダメージを受ける。
だからこそ人との付き合いは苦手だった。
















保健室に入ると、女子生徒はすぐさま彩斗をベッドに寝かせ、消毒液にガーゼなどあらゆるものを用意した。

「先生がいないけど、私がやるよ」

そう言って彩斗の服を脱がせた。
そして目に飛び込んできた体中の生々しい傷を見て、言葉を失う。

「酷い...」
「見ない方がいいよ。それにどんな企みがあるかはしないけど、僕に近づかないでくれないか?」

彩斗は最初からこの女子生徒を寄せ付けようとしていなかった。
最初から人を信じずに疑う。
その癖が染み付いていた。
そしていつものように女子生徒の思考をシンクロで無意識に読み取っていた。
だが悪意を感じなかったのだ。
何を考えているか分からない。
それだけで自分の背中を預けるのは気が引けた。

「心配しないで。私は君を陥れようとか、傷つけようとか思ってないから」
「だといいけどね」
「謝らないと....今までも毎朝、あんなことがあったのに...止めることができなくて....」
「...!?」

彩斗は驚きを隠せなかった。
女子生徒は鳴き始めたのだ。
自分のために涙を流す人間はメリーの他に見たことがなかった。
彩斗はゆっくりと振り返り、女子生徒の顔を見た。
黒の内巻きの髪に大きめの瞳、身長は彩斗の160センチメートルを上回り、163センチメートル程ある中学1年生の女子生徒では長身な部類の可愛らしい少女だった。
見覚えのある顔だ。
いつも自分が暴力を受けているのが公開され、皆喜んでいる中、1人だけ目を背けている少女だった。

「どうして泣くの?」
「だって...目の前で苦しんでる人がいたのに...助けられずにいたんだもの...助けようと思えばいつだって助けられたのに...」

彩斗は罪悪感を覚えた。
少女は本気だった。
本気で自分を助けようとしていたのだ。
それを疑ってしまった。
だが逆に不思議だった。
そこまで言われれば、自分のことを見限って去ってしまうのが本当のところだろう。
それをせずに泣きながらも消毒を続けている。

「...君...名前は?」
「え?同じクラスなのに...覚えてないの?」
「ああ。全く。誰1人として名前は覚えてない。担任の名前も」

彩斗は失礼なことを言っている自覚はあった。
自分に暴力を振るい蔑むようなクラスの人間など記憶していても仕方ないと思っていたのだった。
だが少女は答えた。

「私の名前は..
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