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流星のロックマン STARDUST BEGINS
星屑の覚醒
1 出会い
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した。
首へのダメージにも繋がった。
意識を失い、その場に倒れる。
だが残りは1人だったが、恐れをなして逃げ出した。
そして今まではサンドバッグでしか無かった彩斗のこの行動でそれを楽しんでいた生徒たちは一気にクラスに戻った。
ザワザワと音を立て、そそくさと消える。
そして彩斗はトランサーや教科書類をまとめて、教室とは真逆の方へ歩き出した。
もう今日は学校にいるのは気まずい。
恐らくは精神的に限界が来る。
今、倒したのは下っ端中の下っ端だ。
この学校にもスクールカーストがある。
もし彼らを倒したとなれば、その上、またその上がやってきてキリがない。
そんなことをしたら死んでしまう。
いくら外の世界に憧れがあっても死んでしまったら元も子もないのだ。
気づけば玄関へと戻ってきていた。
先程と変わらずに画鋲が転がり、自分への誹謗中傷の紙もそのまま。

「メリー...今日は帰るよ」
「そうした方がいいと思います。いっその事、もう学校を辞めても...ハートレスなら戸籍も消せるし、外の世界だって、いつかは孤児院を出ることが出来るはず」

彩斗はポケットからBlackBerry Boldを取り出した。
現代でもスマートフォンというものは存在し続けていた。
通信に強いのだ。
現代のトランサーやPETは完全ネット端末だ。
電話は電話回線を使わずにインターネット回線のIP電話を使う。
それは普通の電話に比べて、ネット環境が使いづらい場所では遅延どころか声もない。
しかしスマートフォンは普通の旧式の電話回線を使える。
こちらの方が圧倒的に音質や安定性が高いのだった。
数少ない電話帳の中からハートレスの番号を探す。
そして見つけた。
だが発信ボタンを押す前に体に限界が来た。

「う....あぁ...」
「!?兄さん!?」

彩斗はその場に倒れた。
メリーは兄のように慕う彩斗が倒れたことで、動揺する。
まだ死にはしないと彩斗は分かっていた。
だがすぐに立ち上がろうとする。
メリーには心配を掛けさせたくなかった。
今までも体の傷を縫い、骨を接いできたのだ。
自分よりも2,3歳も幼い少女には過酷なものを見せ続けてきた。
もう十分だった。
必死に笑顔を作る。
だがやはり立ち上がることは出来なかった。
そんな時、自分の偽名を呼ぶ声が聞こえた。

「大丈夫!?沢城くん!!?」

女子生徒の声だ。
『沢城アキ』というのは彩斗の偽名だ。
彩斗自身はこの当時、自分の本名を知らなかった。
メリーがたまに幼少期に呼ばれていた「サイト」という名前で呼ぶことはあっても、それは本名かどうか定かでもない。
いつしか同時期に孤児院に入った者たちも自分の名前を忘れ、シンクロナイザーと呼ぶようになっていったのだ。

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