転入生二人
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解散となった。
そしてやってきた月曜日。響はいつものようにセシリア、本音と共に登校していた。校内に入り、廊下を歩いている時、響がふと立ち止まった。
「どうしましたの響さん?」
「どうかしたー? ひーちゃん」
二人が立ち止まった響を不思議そうに見つめると、響はあごに手をあて少し考えた後打ち明けた。
「いやなんつーか、ここ最近、妙に見られてるっぽいんだよな。睨んでるわけじゃないみたいだけど……」
「そういえば……」
響の意見にセシリアも辺りを見回す。確かに響のほうを見つめている生徒がちらほらと見受けられる。先ほど響が言ったように睨みではなく、むしろ羨望のまなざしが送られていた。
中には響を見て顔を赤らめるものまでいる始末。すると本音が何かを思い出したかのように手を叩いた。
「あー、たぶんアレだよ。ひーちゃんクラス対抗戦のとき皆をアリーナから脱出させたよね? たぶんそれでじゃないかなー」
それを聞いた響は喜ぶことをせず、かえって迷惑そうな表情を浮かべる。
「嬉しいことなんだろうが……そういうのになれてねぇからなぁ」
「フツーにしてれば大丈夫だよー。それよりも早く行かないとHR始まるよー?」
本音の言葉に響たちは少し小走りで教室へと急いだ。
響たちが教室に到着してから少したち朝のHRが始まった。
千冬が先に連絡事項を伝え、あとから真耶がわたわたとした様子ながらも教壇に立つと、皆の度肝を抜く言葉が発せられた。
「えっとですね、今日はこのクラスに転校生が来ています。しかも二人です!」
「え?」
真耶の連絡に教室の誰からも取れない、疑問の声がでたのを皮切りに教室中が割れんばかりの疑問の絶叫に包まれる。
響は窓の外を眺め、ぼーっとしていただけだったが。
皆が口々にしゃべる中教室の扉が開き、転校生が入ってくる。ざわめきがやんだ。その理由は実に単純明快、最初に入ってきた転校生が一夏と同じ男子の制服に身を包んでいたのだ。
急にざわめきがやんだことに気付いた響もそちらを見る。
……なんだ男か。そりゃあ世界にもう一人ぐらいいないと、一夏がかわいそうだもんな。よかったな一夏。
内心で一夏に対し、慰めとも取れるような言葉を残しながら響は転校生二人を吟味していく。
……金髪の方が男ねぇ、中性的な感じの顔だからどっちにも取れるな。んで、銀髪の方は……なーんか面白そうなヤツだな。
響は口元をにやりとゆがめながら、二人を見つめていた。そして誰にも聞こえない声でつぶやく。
「……どっちも胡散臭いことにはかわりねぇが……」
そして転校生二人の自己紹介が始まった。
「シャルル・デュノアです。
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