転入生二人
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意味が理解できたようで、あたふたしながら反論する。そんな彼女の姿が面白かったのか、響は軽く吹き出す。
「響さん!!」
「ああ、悪い悪い。っとそれよりもうすぐつくみたいだぜ?」
「話をはぐらかさないでくださいまし!」
などと言い合っているうちに、モノレールは駅に到着した。ドアが開くと同時に、響はそそくさと外にでると、そのまま急いで階段まで走る。
対してセシリアも、響のあとを追うためダッシュで追ってきた。
「響さーん!! まだ話は終わってませんわ! 待ってください!!」
「やなこったー、ほれほれ捕まえられるもんなら捕まえてみろー」
階段に差し掛かり、響が軽快に駆け下りていく。セシリアもそれに習い、駆け下りようとしたが真ん中辺りまで差し掛かったところで、足をつまずかせつんのめった。
「ひゃっ!?」
悲鳴を上げたセシリアは思わず目をつぶってしまった。
だが襲ってきたのはコンクリートの衝撃ではなく、柔らかくふわっとした感触だった。セシリアが目を開けると、
「まったく、何してんだよセシリア。そんなんじゃ代表候補生の名が泣くぜ?」
呆れ顔の響が自らの胸にセシリアを抱きこんでいた。それを自覚したセシリアは顔をゆでだこの様に真っ赤にほてらせ、あまりのことに口を金魚のようにパクパクと開閉させているセシリアを見て響は溜息をつく。
「まぁ、ふざけたのは私のほうだからお前だけ責められないな……わるかったな、おちょくっちまって」
いいながら響はセシリアの頭を軽くポンポンと叩く。しかし、その瞬間セシリアは失神してしまった。
「お、おい! セシリア!?」
響が呼びかけるが起きる様子はなかった。
だがその顔はとても満足そうな笑みを浮かべていた。
セシリアが目を覚ましたのはそれから程なくしたころだった。目を覚ましてすぐに響に対し頭を下げたセシリアだったが、響の方は気にすることはなくにこやかに笑っていた。
それから二人は、目的地であるケーキ屋に到着し、美味しいと噂のケーキを堪能しその日は帰ることとなった。
寮に到着し、セシリアが響に頭を下げた。
「今日は本当にご迷惑をおかけしてすいませんでした」
「いいっての、別に大変だったわけじゃねぇしな。でもまさか失神しちまうとは思わなかったけどな」
カラカラと笑いながら、響が言うとセシリアは頬を膨らませると、駄々っ子パンチを響に浴びせながら抗議した。
「むー、それは言わないでください!」
「わかったわかった、だから殴るなって!」
殴られながらもその行動が面白かったのか、響は笑っていた。
その後むくれるセシリアを宥め終わり、響たちは一緒に食堂で夕食をとりその日は
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