転入生二人
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クラス対抗戦から時間がたって六月のはじめの休日。響はある人物に連絡を取っていた。
「ユウリー、生きてるかー?」
『響さん! 生きてますけど、いい加減帰ってきてくださいよ!! 私一人じゃさすがにキツいっすよ!』
響の軽めの声とは裏腹に、電話の相手は焦った様子だ。ちなみに電話の相手方は響の舎弟、華霧悠璃だ。
「キツいったってなー、ここからじゃどうにもできないし。……とりあえずどんな状態だ?」
『えっと、蛇皇と鬼火のボス達がサシでやりたいって言ってます』
それを聞いた響は頭を掻きながらため息をつく。
「あー、真琴に琉牙か……あいつらも血の気が多いねー。わかった、とりあえず今から言うことをそのまま伝えろ、夏休みになったら相手してやるからそのときまで爪を研いで待ってろ、ってな」
『わっかりました! まんま伝えときますね!! じゃっ!』
それだけ告げると悠璃は一方的に電話を切った。それに苦笑をしながら響も携帯を閉じる、すると部屋のドアがノックされた。来客のようだ。
「響さーん、いらっしゃいますかー?」
どうやら客人はセシリアのようだ。響も座っていたベッドから立ち上がるとセシリアを出迎えに行った。
「おう、セシリア。今日はなんだ?」
「はい、ちょっと街の方までお出かけをしたいと思いまして」
「街に? ……まぁ暇だし行くか。ちょっと待ってろ準備してくるから」
「はい!」
響がいくと知ったセシリアはとてもにこやかになった。それから数分後、準備を整えた響はセシリアと共に街へと繰り出した。
街に通じるモノレールの中で、響はセシリアに聞いた。
「街に行くにしても、どっか行きたいところでもあんのか?」
「はい、実はとても美味しいスイーツのお店があるとのことでして、ぜひ響さんとご一緒したいと思ったのですわ」
「スイーツねぇ……私にゃ無縁だなー」
窓の外に広がる海を眺めながら、響はつぶやく。それをみたセシリアがあわてた様子で声を挟む。
「あ、あの響さんにも似合っていると思いますよ……?」
「なんで疑問系だ、フォローする気なら最後までしっかりしろい」
いいながら軽めのチョップをセシリアにくらわす響だが、別段怒っているというわけではなく、面白そうに笑っていた。
一方セシリアはというと、なぜか顔を赤らめていた。
その様子を見た響がセシリアに問うた。
「たまにお前さ、私に口ふさがれたり、軽く叩かれたりするとそうやって顔赤らめるけど……そっちの気はないよな?」
「そっちの気? ……!! そ、そんなことありませんわ!!」
一瞬なんのことやらという風な顔をしたセシリアだが、少し考えると響の言った
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