旧校舎のディアボロス
第08話
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笑いの声と雷の音が廃屋に鳴り響いた。
朱乃さんは大いに満足した笑顔をしながらこちらに戻ってきた。その笑顔が怖い。
入れ替わるように部長がぎりぎりの意識を保っているバイサーのもとに向かう。
「何か言い残すことは?」
「殺せ」
部長の問いに、短く答えるとバイサー。もう抵抗する力も気力もないのだろう。
「なら、消し飛びなさい」
冷徹な声で部長は手のひらからドス黒い魔力を発生させる。そのドス黒い魔力はバイサーを飲み込む。
そして魔力が晴れるとバイサーの姿はなかった。文字通り消えた。
「これで終わりね。みんな、ご苦労様」
「ふぅ」
部長のねぎらいの言葉に俺は深い息を吐く。初めての実戦と呼べる戦いだ。無意識のうちに気張っていたらしい。
「ところで朔夜はああいった魔法が得意なの?」
「得意ってわけじゃありませんがよく使いますね。後は身体強化系のものも」
俺は教授から様々な魔法を教わった。そしてその大半は扱うことが出来る。どれも基礎的なモノばかりだが。
「ただ、基本自宅での練習ですからレベルは低いと思います」
「ただの一般人だった人間があそこまでやれるのはすごいとおもうけど」
そうなのか。比較できる人が教授しかいなかったためどうしても自分が低く思える。
教授なら『パイロシューター』を百をはるかに超える数を出現させ手足のように操ることが出来るだろう。今の俺だと3つが限界だ。威力も桁違い。
「そうですわ。自信を持っても大丈夫ですわよ」
朱乃さんもそういってくる。ならもう少し自信をもってもいいかもしれない。
「部長、ところで俺の駒って?」
イッセーの質問に部長はニッコリと笑顔を浮かべはっきりと答えた。
「『兵士』よ。イッセーの役割は『兵士』」
イッセーは希望が打ち砕かれた顔をした。
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