旧校舎のディアボロス
第08話
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「それが『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)」
「イーヴィル・・・ピース・・・」
イッセーが必死に聞いている。
「人間界のチェスの特性を下僕悪魔に与えたのよ。主となる悪魔が『王』。そこから『女王』『戦車』『騎士』『僧侶』『兵士』の五つの特性を出した。
それが爵位持ちの悪魔に好評でね」
「好評ですか?」
「ええ、競うようになったのよ。ルール化されて戦い合うようになったわ。それを『レーティングゲーム』と呼ぶわ。今では公式の大会がいくつも存在して、爵位にすら影響を与えているほどにね」
「部長たちもそのゲームに参加したことが?」
「いいえ。私はまだ成熟した悪魔じゃないし、公式の大会に出るには条件があるからプレイしたことはないわ。朱乃たちも同じよ」
「つまり、イッセーは当分ゲームをすることがないという事ですか。よかったな訓練する時間があるぞ」
今のイッセーがゲームに出ても戦力にならないし、バックアップも無理だろう。囮がせいぜいだ。
「そういう事だから安心していいわよ。イッセー」
「そうですか。部長、俺の役割や特性って?」
「そうね。イッセーは・・・」
部長が答えようとしたが途中で途切れる。殺意と敵意が一層濃くなったからだ。
どうやら、対象が近づいているようだ。
俺は杖を抜き、暗視の魔法を唱える。
「不味そうな臭いと美味そうな臭いがするぞ?甘いのかな?苦いのかな?」
そんな声が聞こえてきた。内容もそうだが声色が相当不気味な声だ。まっとうな生物の放つ声ではない。
「はぐれ悪魔バイサー、あなたを消滅しにきたわ!」
部長が臆さずに宣言する。ケタケタと笑い声をあげながら物陰から姿を現した。
上半身が裸の女性の姿が見える。イッセーはその姿を見るとにやけたがすぐに驚愕に変わる。
そうだろう。その体があるのは5メートルは上でありその下は異形の下半身があった。
象の体を巨大化させつけたようなほどでかい四足の足。爪も相当長い。
蛇のようにしなる尾は自立しているかのように動いている。
全体としてケンタウロスの構造をしているが構造が同じなだけだ。
そして、両腕には二本の槍を持っている。
そんな容姿をしているはぐれ悪魔バイサーに向けて部長が言葉を続ける。
「欲求を満たすために暴れまわるのは万死に値するわ。グレモリー侯爵の名においてあなたを消し飛ばしてあげる!」
「こざかしい!お前の体をその紅の髪と同じ鮮血にそめてやるわぁぁぁあああ!!!」
実にうまいことを言った。不覚にも関心してしまった。
「雑魚ほど洒落のきいたセリフを言うものね。祐斗」
「はい!」
部長の指示に祐斗はすぐさま動き出す。
左腰に下げていた剣を握ると
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