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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第二十話 オペレーション・マルス@
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以上、各国の最精鋭をここに張り付けておく理由はない。未だ激戦の続く地域へ戦力を振り分けるだろうことは和音にも分かった。
「わたしの居場所は結局なくなっちゃうのかな……?」
眠ってすべてを忘れてしまおうと思った和音は、部屋の明かりを消してベッドに横になる。
静まり返った暗い部屋の中で、意識が眠りに落ちようとした時だった。
「……? この音は……もしかして」
むくりと起き上ってカーテンを開けると、果たしてそこには今朝と同じように刀を振る坂本の姿があった。時折刀を構えたまま意識を集中し、一瞬刀身が淡い輝きを放つ。がしかし、それもあっという間に消えてしまう――それを、坂本は何度も繰り返していた。
「坂本少佐は、まさか……」
和音は不意に直感した。あの刀身の輝きがウィッチの魔法力によるものだとすれば、この光景が意味するところは一つだけだ。――魔法力の喪失。それ以外には考えられない。
「坂本少佐……っ!!」
いてもたってもいられなくなった和音は、タオルケットを跳ね除けて飛び起きると、そのまま部屋を飛び出してかけていった。
「なぜだ……!! 限界だというのか? このわたしの魔法力がもう限界だと……ッ!!」
歯を食いしばる坂本は、烈風丸を握ったまま立ち尽くしていた。
舞鶴で初めて実戦を経験して以降、戦うことこそが坂本の全てだった。空には坂本の全てがあったのだ。しかし、その根源たる魔法力がないのでは、坂本とて一人の娘に過ぎないのである。
「こんな、こんなことが認められるか……!!」
いつか来る宿命であることはわかっていた。しかし、なぜ今なのだ。
肩を並べた戦友たちと共に決戦の舞台に上がることすらできないというのか。
「くっ……!!」
惨めな気持ちでいっぱいになりながら、坂本は砂浜をあとにした。誰もいない滑走路を抜け、搬入用の入り口から基地に入る。伽藍堂で物寂しい格納庫の静けさが、今の坂本にはむしろ心地よかった。
「は、ははは……所詮わたしもこの宿命からは逃れられないのか……」
誰にも気がついてほしくない。ミーナが知れば泣いて止めるだろう。だからこそ、ずっと一人で鍛錬を積んでいた。しかし、こうなった以上はもはや飛ぶことは叶わないのか――
そう思ったその時、坂本の視界にあるものが映った。
「これは……沖田のユニットか」
――F-15J。
遥か半世紀先の技術の結晶にして、新時代の魔女の翼。レシプロなど決して寄せ付けぬ圧倒的なその性能は、初めて見たあの時から坂本の脳裏から離れない。
そして思ってしまった。
これを使えばまだ自分は戦えるのではないか?≠ニ。
吸い寄せられるように指が機体のラインを撫で、今すぐにでも
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