例えばこんな命令は正直聞かなかったことにしたい
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た。
私の完敗だ。認めよう。私は真田に”家族”を求めている。
6月9日
鈴音に話しかけられる。
「ねぇ、アンタってよく真田のコトじっと見てるわよね?付き合い長いのかしら?」
「学園に入ってからずっと、かな」
「フーン?それにしては随分とお熱じゃない?」
「・・・真田は人を信じすぎる。それが危なっかしくてつい、なぁ・・・」
「なるほどねぇ〜」
納得したのか鈴音は帰っていった。あと帰り際に「そのおっぱいちょっと分けなさい」と言われた。好きでこんなにでかくなったわけじゃないのだが。邪魔になるし、真田にも「顔が埋もれて苦しい」と言われたし。
6月10日
あれが件の五反田弾か。いくら見ても私と似ているようには見えない。無駄足だったか。
そういえば最近身長がまた伸びた。160cmを超えてなお伸びるか。服のサイズがきつくなってきたので服を適当に買って帰った。13歳だから未だに成長期、か。面倒な。
6月11日
転入生2名。1名はとっくに正体が割れているし工作、潜入系は素人なので放置しても問題ないだろう。問題はもう一人・・・ラウラ・ボーデヴィッヒだ。ドイツ軍がなぜこのタイミングであれを送り込んできたのか意図が分からない。
ボーデヴィッヒと目が逢う。私の目は両目とも越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)が埋め込まれているため遺伝子強化試験体である彼女には気づかれただろう。私が、まともな人間でないことに。
その後の訓練でブリュンヒルデが真田の特異性の一部を公開した。まぁタイミング的に頃合いだろう。この前のGM-リンカーの事もあるから凡その納得を得られている。
「・・・おい、ジェーン・ネスキオ」
「何か用か、アドヴァンスド」
「後で話がある」
「いいだろう」
ほんの短い会話だったがそれで十分だろう。今は情報が欲しいのであっさり乗る。
「お前は何者だ?少なくとも実戦を知っているな?なぜこんな平和ボケの学園にいる?」
「2つ目の問いには肯定しておく。ついでに一応教えておくと私はお前とは違うコンセプトだ、同類だがキョウダイではないよ」
自分の考えを読まれたことに対する悔しさからか犬歯をむき出しにして警戒しているが、正直子犬が吠えてる程度にしか感じない。
私と強化個体は大元になった技術こそ似ているがそこから袂を分かっている。コスト高の代わりに安定性を求めた生まれつきの優良種と、既存の人間を改造し尽くして凡人を獣人に変えることとでは思想そのものが違うのだ。
余裕綽々な私の態度が気に食わないのか、ボーデヴィッヒはナイフを抜いた。瞬間、拳でそれを叩き割る。これこそが成功体の力、など
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