暁 〜小説投稿サイト〜
万華鏡の連鎖
夢幻界の断片
蜃気楼の彼方
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剣・加賀四郎と逢って下さい。
 第一銀河帝国首都ラクラジル、銀河王宮に送ります)
 魔法円陣の真央点(センター)に闇が集い、遠距離転移力場の(ゲート)と化した。


「蛇君!
 ありがたい、また逢えるとは思わなかったよ!!」
 ひょろりと痩せた男から驚愕、感激、安堵を秘めた声が迸る。
 薄紫色の瞳が輝き、居室内部で実体化直後の訪問者に駆け寄った。
 訪問者の掌を握り、幾度も肩を叩く。

(我輩の思考を読み、返事を送り込んでくれ。
 雄介、風太と逢ったかね?)
 返事は、無い。
 北斗多一郎は黙して語らず、謎めいた表情で見返すのみ。

「おや、君は蛇君ではないのか?」
 えい、ままよ。
 握手を外し、破れかぶれで名乗りをあげる。
「我が名は、アルド・ナリス。
 夢か現実か私自身にも解りませんが、以後お見知り置きを願います」

(闇と炎の王子、アルド・ナリス!
 未公認の世界最長小説、某サーガの登場人物ではないか!?
 言われてみれば描写の通り容姿端麗、世界生成の秘密を極める志を抱く野心家だったな)
「大変失礼した、御無礼の段は平に御勘弁を願いたい。
 旧知に良く似た魂をしておるので、間違えてしまった。
 私は加賀四郎、20世紀の日本に生を誕け時空を超えし一介の天才だよ。
 数多の異次元空間を巡り5千年後の未来、銀河帝国の首都惑星(ラクラジル)に漂着した所さ」
 奇妙な言い回しだが滑らかな口調、冷静沈着な物腰にも高い知性が窺える。
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