夢幻界の断片
蜃気楼の彼方
[4/4]
[9]前 最初 [2]次話
剣・加賀四郎と逢って下さい。
第一銀河帝国首都ラクラジル、銀河王宮に送ります)
魔法円陣の真央点に闇が集い、遠距離転移力場の門と化した。
「蛇君!
ありがたい、また逢えるとは思わなかったよ!!」
ひょろりと痩せた男から驚愕、感激、安堵を秘めた声が迸る。
薄紫色の瞳が輝き、居室内部で実体化直後の訪問者に駆け寄った。
訪問者の掌を握り、幾度も肩を叩く。
(我輩の思考を読み、返事を送り込んでくれ。
雄介、風太と逢ったかね?)
返事は、無い。
北斗多一郎は黙して語らず、謎めいた表情で見返すのみ。
「おや、君は蛇君ではないのか?」
えい、ままよ。
握手を外し、破れかぶれで名乗りをあげる。
「我が名は、アルド・ナリス。
夢か現実か私自身にも解りませんが、以後お見知り置きを願います」
(闇と炎の王子、アルド・ナリス!
未公認の世界最長小説、某サーガの登場人物ではないか!?
言われてみれば描写の通り容姿端麗、世界生成の秘密を極める志を抱く野心家だったな)
「大変失礼した、御無礼の段は平に御勘弁を願いたい。
旧知に良く似た魂をしておるので、間違えてしまった。
私は加賀四郎、20世紀の日本に生を誕け時空を超えし一介の天才だよ。
数多の異次元空間を巡り5千年後の未来、銀河帝国の首都惑星に漂着した所さ」
奇妙な言い回しだが滑らかな口調、冷静沈着な物腰にも高い知性が窺える。
[9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ