第二十九話 運命と可能性
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アイツ等を殺してやる!ネオ、MSをくれよ!何でもいいから!?」
「アウル……」
涙を流しながらアウルはネオに訴える。ただでさえステラの存在を記憶から抹消されたせいで不自然な空白が生まれている中で、戦友のスティングが目の前で殺されたのだ。
「あのガンダムを絶対殺してやる!ネオ、頼むよ!!」
おそらくこのままだと情緒不安定と断定されて再び調整されるのだろう。ネオはそれが正しいことなのかがわからない。いや、間違っているのだろう。それでも止めてこなかった。これまでも、そしておそらくはこれからも……。
(だが、それは本当にやってもいいことなのか?)
彼等にとっては幸福だと研究者は言っていた。だが、戦争の道具にされ、こうやって仲間の死すらも邪魔だと判断されるのは間違いじゃないのか?
「わかった……だが今は休め。アレを追うにも準備が必要だろう?何、気にするな。すぐに機会は巡ってくるさ」
「本当なんだよな―――」
「ああ、信じろ」
そう言って彼はいつものラボに戻っていく。ネオもすぐにそのラボを管理する部屋まで訪れる。
「調整の際に記憶処理に修正ですか?」
「ああ、スティングの事は忘れさせなくていい」
ネオ自身のささやかな抵抗。現場にいる人間だからこそ出来る抵抗。ネオは大佐であり、部隊指揮官としては最高位の人間だ。もちろん、ジブリールはそれ以上に権限を持つが、現場にまで一々口出しするような人間ではない。そこが前ロゴスの当主、アズラエルと違うところなのだろう。故に、こういった行動で口出しが可能となる。
「しかし、兵器として不安定な要素は出来るだけ避けるべきでは?」
「個人的なちょっとした要望だ。頼むよ、礼はするからさ」
何の意味もないことなのかもしれない。寧ろ自分の首を絞めることとなるかもしれない。しかし、今更そんなこと気にしない。せめて、生き残ったアウルにだけでも自身の偽善とも言える様な行為で自己満足に浸りたいだけなのかもしれない。
「ああ、背負ってやるよ。恨んでくれて、いや寧ろ恨んで欲しいのかもな……スティング、ステラ」
一人そう呟きながら、欠けた二つのラボを見つめていた。
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