第一部
第三章 〜洛陽篇〜
三十 〜尋問〜
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残った二人の片割れに、釘を持って近づく。
「や、止めろ!」
「ならば、問いに答えよ。貴様らの背後にいるのは、誰か?」
「……し、知らねぇ!」
「そうか。ならば、答えるまで止める訳にはいかぬな」
男の足の甲に、古釘を打ち付けた。
「うぎゃぁぁぁぁぁっ!」
「痛いか?」
「い、い、いてぇよぉ……」
「だろうな。だが、これで終わりではないぞ?」
火を付けた蝋燭を手に取り、男に近づける。
そのまま熱した蝋を、傷口に垂らした。
「ひぎゃぁぁぁぁぁぁ、ひ、ひぃぃぃっ!」
のたうち回る男。
「さて、残るはお前だが……」
竹串を手に取る。
「な、何をする!」
「これを、貴様の爪の間に突き刺してやろうと思ってな」
「ややや、止めろ! この鬼!」
「鬼、か……。確かに、私は鬼かも知れぬ。だが、降りかかる火の粉は払い除ける主義でな」
男の足を押さえ、竹串を近づけていく。
「た、た、助けてくれ! 言う、言うからっ!」
部屋に、異臭が漂い始めた。
どうやら、目の前の男が、失禁したようだ。
「……よし、聞こう。だが、偽りを申したらどうなるか……覚悟するのだな」
「わわわ、わかってます! で、ですからどうか、どうか……」
「おい、裏切る気か……てめぇ」
腕を折った男が、呻きながらも睨み付けてきた。
「こ、こんな死に方は嫌だ! 俺には、妻子がいるんだ……」
こ奴らの結束も、崩れたようだ。
……さて、この者共からの口から何が飛び出すのか。
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