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クロスオーバー
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ートル程度の間隔を置いて木製の扉が並んでいた。
数えて5個目の扉の前でパールは足を止めた。
「中で説明するわ」と言うと扉のノブを押してパールが先に入った。
中で扉を開いたまま、どうぞと涼子を促す。
涼子はゆっくりと扉の中に入った。後ろでかたんと扉の閉まる音がした。
その視界に入ってきたものは扉の外から想像出来た以上に広く遥か彼方まで続くかのような広さがあった。その部屋には机が整然とこれもまた遥か彼方まで並び、沢山の人が机の前に座り、何か作業をしていた。その人々は上下とも白い作務衣のような服装をしている。パールの後に続いて並んだ机に近づくと、机の上にはコンピュータが置かれており、そのコンピュータに向かって人々は作業をしている。
涼子はそのコンピュータの画面に見入っていた。
画面には画面の左角から螺旋を描くように小さな画面が表示され右上に行くにしたがって段々とその画面が大きく表示されていた。その螺旋はカーソルを動かすとその動きに連動して伸びたり縮んだりした。小さな画面は自由に拡大表示が出来るようだった。
肝心なその画面に表示されているものは、まるで盗撮でもしているかのように人々の日常生活が映されていた。
「なんだか分かる?」パールが涼子に話しかける。
「説明・・・してよ」
「ここに表示されているものは人々が今まで生きてきたこと全てが表示されているの、現在とこれから起きる予定のことも全てが」
「・・・・・」
「ここは世界の人々の日常をサポートしているコントロールルームよ」
「キャバ嬢をこんなところへ連れてきてどうするつもり?」涼子は眉間を寄せて眉の左右を下げて聞いた。
「私だってショーパブの綺麗目なホモよ」としなを作ってパールは笑った。
「ねえ、パールちゃん、あなた一体何者なの?何故ここにいるの?」
「私は天使・・・まあ、堕天使かしら? ところで涼ちゃん、ここであなたの知りたかったことの全てが分かるわ!」
パールは画面上のカーソルを動かし始めた。すると画面が切り替わり、何かのマークが画面上に無数に並んだ。何かのマークは象形文字のように見えた。その中から一つのマークを選択して確定すると、先ほどの螺旋を描く画面が表示された。
「これが涼ちゃんの画面よ」と言ってパールはコンピュータの画面を涼子に良く見える角度に向けてくれた。
涼子が自分でカーソルを動かすと螺旋を描く画面もそれにつられてぐるぐると動いた。
中央に拡大された画面を次々と切り換えると涼子にとって見覚えのある場面が次々と表示された。画面の左下にカーソルを動かすと過去に遡り、右上に動かすと未来に進むようだ。
覚えている場面が多いが忘れている場面も全てが自在に切り替わった。
そして、ここ数カ月、数年前の画面を丹念に覗いていた涼子はふと思い出したようにカーソルを左下に次々
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