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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第06話
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そういう簪は本当に悲しそうで、その時、本気で悩んでいたことが伺える。
「でも、俊吾君にああ言ってもらえて、私思ったんだ……。私、お姉ちゃんに追いつきたいのに何で同じ方法でやってるんだろうって……。だから、私は私なりの方法でお姉ちゃんに追いつこうって思った」
少し簪が笑った気がする……。
「私は誰かに頼って―――ううん、俊吾君と一緒にこの子を完成させたいって思った。お姉ちゃんには離されちゃうけど、それでも良いって思えた。むしろ、それが良いって思えた。お姉ちゃんと違う方法でお姉ちゃんに追いつく。そう思うだけで、私はお姉ちゃんと比べられるだけだった私と決別出来た」
簪は嬉しそうな顔になって、そう言う。
「私は、俊吾君がいたから頑張れた。私の大切な……大切な―――『友達』の俊吾君がいてくれたから。だから、その……これからも一緒に……いてくれると…………嬉しい………………」
簪は途中で、今まで自分の言っていたことを思い出し、顔を赤くした。自分で信じられないくらいスラスラと言葉が出たことに恥ずかしがっているのか。それとも、内容を恥ずかしがっているのか。その真意は分からないが、恥ずかしがっていた。
反対に俊吾はと言うと、簪の言葉を噛み締めていた。自分の中で生まれた、簪にしてきたことへの疑問。それが、今の簪の言葉で消え去った。心が軽くなった。救われた。それだけで、俊吾は自信を持てた。そして、簪の言葉に答える。
「……こちらこそ、よろしく頼むよ。簪さんがいると……俺も嬉しい」
それを聞くと、簪は嬉しそうに
「うん!」
と言った。
心を開いたと、いうよりもこれが簪本来の素の姿なのだろう。楯無と言うあまりにも大きな存在の姉がいたせいで、圧縮されてきた簪本来の姿。それが俊吾と会って簪が変わったところだ。まだ人見知りではあるが、それも改善されていくだろう。
そして、二人はその後、仲良く寮に戻っていった。いつも以上に会話が弾み、楽しそうにしながら。
◇ ◆ ◇ ◆
俊吾が部屋に戻ると、予想通りの人がいた。
「おかえり、俊吾くん♪」
「やっぱり来ましたか、楯無さん。来るとは思ってましたけど」
「だったら、早く部屋に入って入って」
楯無は俊吾の手を引いて、部屋に入った。楯無は前来た時と同じようにベットに座り、俊吾も同じように備え付けの椅子に座った。
俊吾は本題に入る前に、疑問があったので楯無に聞いた。
「そういえば、楯無さん。俺の部屋変わってたのに良く分かりましたね」
「あぁ、それね。シャルル・デュノアくんだっけ?あの子が転校してきたから、俊吾くんが部屋変わりそうだな〜って思って調べておいたのよ。これから部屋に来やすくなって嬉しいわ」
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