劉禅、身投げする
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るとしか思えない。桃香はそれに気付いているんだろうか。
子作りも立派な主君の務め。北郷ならこう主張しそうである。しかし、残るのは北郷の血筋であって、劉家の血筋ではない。
城内ではもう笑えない状況になっている。政務の負担が一部に流れ、家臣達の間で不満が募り始めている。しかし、俺はこの状況を変えることが出来なかった。女尊男卑の風潮が強い世の中、俺の意見は取り上げられないことが多かった。
この状況が嫌になり、次々に辞めていく文官達。新たに登用しても、入れ替わりが激しく、これでは政務にならない。
そして、俺にとって決定的な事件が起こる。俺の許婚だった女性に北郷が手をつけたのだ。一体あいつは何様のつもりなのか。
(北郷を潰すしかない)
俺はこのように決意した。
*****
しかし、計画は見事に頓挫した。そして、反逆者として味方は次々に討たれ、俺自身も成都の城から身投げをする羽目になったのである。下は断崖絶壁だ。到底助かるとは思えない。それでも、北郷らに捕まるよりは数倍マシだ。
(悪い親父。遺言守れなかった…)
俺は落ちながら、亡き父に謝罪していた。不思議なことに、死に直面しながらも走馬灯は見なかった。
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