旧校舎のディアボロス
第06話
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ことだったし、最初は実感がなかったんだが数日すると実感が湧いてきてな。その影響で神器を発現させて暴走。偶然居合わせた教授に助けてもらって弟子入りしたんだ」
「・・・ごめん」
「・・・すみません」
「いいって。こんな家に学生が一人暮らししてたら誰だって聞くことだ。それに俺自身ももう割り切ってるよ。
まぁその後、父さんの祖父母の暮らす家に引き取られる予定だったんだが、この家を離れるのがいやでな。頼み込んでここに暮らしている。幸い、祖父母の家は自転車で行ける距離だったし。中学の時はここと祖父母の家を行き来する生活をしてた。」
さすがに中学生が一人暮らしをするのは問題があったからな。
家事だってろくにできなかったんだ。あの時に一人暮らしをしていたらどうなっていたことやら。
「裕福な家庭でもあったから、遺産もそれなりにあった。だから、高校を卒業できるまで暮らせる金もあった」
「・・・だったらどうして駒王学園に来たんですか?私立だから結構お金がかかると思います」
「特待生の制度で学費免除を使ってる。それなら公立に行くよりもさらに出費が抑えられる」
俺が成績を維持しないといけない理由はこれだ。下手に落とすと特待生から外されてしまう。
「まぁ、こんなところだ。歓迎する立場としてあまり気が重くなる話はしたくないから、これで終わりだ。部屋に案内する」
「お願いするね」
「・・・話してくれてありがとうございます」
「ああ。っとこの部屋にはあまり入らないでくれ」
俺はある一室の前でそう言う。
「この部屋は?」
「教授が使ってた部屋で今はほぼ書庫だ。それも魔法関係の」
「・・・魔法関係・・・ですか?」
そこは教授が暮らしていた時に使っていた部屋だ。教授はいわば旅人で同じ場所に長く留まることはしないらしい。俺に魔法を教えていた時が最長の滞在期間だとも言っていた。
その時に俺の教材用の本だったり、趣味で作った本だったりいろいろある。・・・その本を作るために1週間引き籠ったこともあった。
「朱乃さん辺りが興味を示しそうな場所だね」
「そうなのか?まぁ、入るなってわけじゃないし見たいのなら一言言ってくれれば見せる」
「魔法使いが研究成果を見せるのはどうかと思うけど・・・それに僕はそういうのはあまり分からないからいいよ」
「・・・私もです。ところでこっちの部屋はなんですか?雰囲気が違うのですが」
そう言って小猫は別の部屋を指さす。
「ああ、あれは俺の魔法の練習部屋だ。教授が作った結界が張ってある」
俺はその部屋を開けて二人に見せる。
「力が漏れないようにするものと、壊れないようにするものが張られている。俺は魔法を使う時は必ずここだったからな。だからお前たちが俺の存在に気付かなかったんだろう」
「すごい・・・こういったも
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