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ゲルググSEED DESTINY
第二十八話 夜明け
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ォッ!?』

爆発が起こる。一瞬、誰もがハイネが落とされたと思った。しかし、攻撃が当たる直前にシールドを構えたグフは何とか攻撃を防ぎきっていた。とはいえ、腕は爆発し、足は溶かされ、機体の何処を探しても無事な所など無い。

『ッ痛、まあ、俺の運もここまでって事なのかね?』

グフはまともに動くことも出来ず、地上に落下する。衝突するグフ。普通に考えれば即死だ。高いところから何の姿勢制御も取れずに壊れた機体で地上に落ちる。そのままスクラップの仲間入りしてもおかしくなかった。

『ハイネさん!応答を、ハイネさん!』

ミネルバでメイリンが必死に呼びかける。しかし予想に反してハイネは生きていた。

『生きてるみたいだぜ……無事とは言いがたいがな……』

奇跡的なことだといえよう。しかし、グフは最後まで主であるパイロットを守りきった。ハッチを開き、外の様子と共にグフの様子を見るハイネ。最早完全に機能を停止したグフ。壊れた様子を見る限り、修理も不可能だろう。

「ありがとよ、俺を守ってくれて――――――」

ハイネの愛機、オレンジカラーのグフはこのベルリンの地で最後までパイロットを守るという務めを果たし、完全に沈黙した。







ラー・カイラムがベルリンに辿り着く。しかし、MSの補給は終了しきっておらず出撃できる機体がない。いや、出撃させることも可能だろうがはっきり言って戦力にならない。

「どうする気で?」

クラウがグラスゴーにどうする気なのかを尋ねる。

「砲撃戦を仕掛ける。味方MSには当てるなよ。この艦なら多少の攻撃にも耐えれる」

艦が敵を引き付ける役割を負うと決断する。グラスゴーは元々MSの性能を生かす戦い方が得意だ。故にMSを有効的に行動させる為にラー・カイラムは囮となる。

『アレは!?』

シン達もラー・カイラムの存在に気付き、驚く。目の前のデストロイを相手に艦で迂闊に近づくなど自殺行為だ。

「ジャミング弾発射。ミサイル用意、一番から三番発射。主砲三射一斉発射!」

次々と指示を出すグラスゴー。どの攻撃もデストロイに対して有効打になり得なかったが気を引くには十分だといえた。
しかし、ラー・カイラムといえど戦艦ではデストロイを相手取るのは不可能だ。その結果、反撃を受ける事となる。

『ラー・カイラムがッ、あそこにはステラが……ッ!』

シンはこのままではステラが死んでしまうと、そう思い必死に攻勢を仕掛ける。

『シン!?迂闊だぞ!』

一気に攻撃に出たインパルスはデストロイの砲撃を浴び撃ち落される。脚部や片腕を失うインパルス。

『畜生ォッ!?』

ここで、終わるのか?シンはそう自問自答する。ステラを救えず、また誰も助けられないのかと……
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