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フィガロの結婚
2部分:第一幕その二
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である。
「子供はどっかに行ったがのう」
「あの子は何処に」
 このことを思い出すと悲しい顔になったがそれは一瞬だった。バルトロはまた言い出した。
「目次を読み尽くすまで本を読んでも曖昧な言葉や同義語は何たかの混乱から見つかる。このセヴィーリアに知られた賢者バルトロ様がフィガロを御前の二番目の夫にしてみせようぞ」
「期待していますよ」
「うむ、期待しておるように」 
 こんな話をしてから二人は別れた。マルチェリーナは廊下を歩いているとここで前にスザンナを見た。早速言うのだっや。
「あの美しい真珠の玉をお嫁さんにしようと言っていたわね」
「私のことね」
 当然スザンヌも彼女に気付いていて声も今聞いた。それですぐにわかった。
「けれど世の中行き着くところはお金。先立つものはまずそれ」
「言うわね」
 スザンナはそれを聞いてむっとした。
「誰でも自分の値打ちは知っているわよ」
「控えめな目つきでおしとやかな素振りだけれど」
 今度は聞こえないようにしながらスザンナを見ていた。
「野ってきたわね」
「やり過ごそうかしら」
 お互いに剣呑な調子である。

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