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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#14 食料の村 エンゲーブ
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った。……見てみたら一目瞭然だ。
「ああー…… こりゃほんとに酷いね。無茶苦茶だよ。犯人は、相当な空腹だったのかな?」
そこで 見たのは、見事に荒されていた食料庫内の惨状だった。食料庫、と言う名前なのに、そこには殆どが残っていない。本当に根こそぎ盗られている。
そして、聞くところによれば、この村の主力製品は食料との事だ。だからこそ、この村にとって食料と言うのは、何よりも価値のあるものだということだ。
喉かな村だと思った第一印象とは裏腹に、何やら村全体が殺気立っていると感じたのは、やはり そのせいだろう。
「これは………」
イオンは食料庫の中で何かを見つけたらしい。その場にしゃがみこんでいた。
「ん? 何か、手がかりがあった?」
離れて調べていたから、アルはイオンの方へと向かった。
「ええ。……これで犯人がハッキリしました」
そう言うと、イオンは拾った
それ
(
・・
)
を。……何か動物の体毛のような物を差出し、アルに見せた。アルは、それを見て。
「んっ、と……。あ、成る程、人じゃなく、獣が犯人ってことかな? んー……、さすがに、獣の種類まではわからないけど。 イオンは見ただけで判ったんだよね? う〜ん……もうちょっと勉強したらよかったかな……? 動物、生き物の事も……」
アルは、頭を捻りながら考えるがわからない。生物は、あまり勉強をしていないジャンルだから。鉱山内に生息しているモンスターの事は注意して、と言う事で学んだんだけど。
「あ! ごめんなさいアル。これはですね、《聖獣チーグル》の抜け毛ですよ」
イオンは、謝りながら説明してくれた。一般的なモノなのだが、アルの事を考えたら、仕方が無いから。謝罪を受けたアルは。
「あっ、謝らなくてもいいですよ。知らないのは事実ですし。……変に気を使わせるのも、ちょっと申し訳ありませんし。何より、今、とても勉強になりましたから」
アルは、笑いながらイオンにそう話した。イオンも、やっぱり悪そうにしていたが、最後にはアルの意志を組んでくれて、笑っていた。
「そういえば……、そのチーグルって あの〜……えーっと、うん そうだ。ユリアと並んで教団の象徴になってる草食獣…… でしたよね? 知能も高いって言う」
アルは、イオンに確認するように尋ねた。チーグルと言う名前は学んでいたから。
「はい。その通りですよ」
「んん……、ならどうして。何で、草食獣のチーグルがここの食料を? んー………」
アルは、 腕を組みながら考える。でも、証拠がある以上は、盗んだのはチーグルで間違いないんだろう。動機までは、やっぱりわからないんだ。知能がある、と言う事は考える事が出来るから、他の動物の様に本能だけでの行動じゃな
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