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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#13 漆黒の翼を追いかけて
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。……まあ、それはともかく タルタロスを緊急停止! そして、同時に譜術障壁起動!」

 ジェイドも当然、彼が記憶傷害だと言う事は知っているし、勉強をして知識を得た、と言うのは、アニスとイオン達の会話から知っているのだ。そう言ったのだ。

 ……こんな騒ぎの中で、冷静にそう考えられてたのは流石だ、と思える。

 ジェイドの命令ですぐさま船員謙兵士達は行動と作業を開始した。譜術障壁の起動、そして緊急停止機構の準備を同時に。

「了解! タルタロス緊急停止! 譜術障壁起動!! 敵の譜術、確認! 橋が爆発します!」

 そして、その言葉通り、橋で大爆発が起きていた。大爆発による炎上。……黒煙も空に立ち上り、あの大きな橋は、無残にも崩れ落ちてしまった。もう、あちら側には、この橋を使っては行けないだろう。大陸を繋ぐ為の其々の支柱、海底に埋め込んでいる橋の支柱だけを残し、殆どが沈んでいる。

 ……あんな大爆発が起きたというのにジェイドは淡白にこなしていた。次の指示をしていたから。


「はぁ……… これが軍人、ですか……如何なる時にも冷静(クール)に。……凄いですね……」

 アルは、ジェイドを見て、現状を直ぐに把握し指示を出すその手腕。そして冷静に見極めて最善を、いや、最適な行動を取る。……その他色々見て、思わず声に出していた。自分は、取り乱してしまう事しか出来ないから。

 そんなアルを見たアニスはアルの脇腹を肘でつつくと。

「アル〜? 大佐はねー、ちょーっと他の人と違うからさ?あんま 褒めても意味無いと思うよー!」

 そうアニスが、少し意地悪そうな顔をしながら笑いそう言う。さっきも似たような事を言っていたけど……。

「え……と、そうなんだ……」

 アルがアニスに訊いている最中。

「いやぁ アニスには言われたくありませんねー」
「ふふふ……。」

 ジェイドがすかさず反論しており、そしてその言葉に、イオンも笑っていた。どうやら、それも嘘じゃなさそうだ。アニスも、それなりに色んな意味で凄い人だと言う事。

「えー なんでー! イオン様も笑い過ぎですよぉ!」

 言われたり、笑われたりしてアニスはムキになりながら、言うけれど、何度いってもただ、笑い声がするだけだった。

「あ、ははは………」

 アルもついつい、つられて苦笑いをしてしまっていた。
 
 《ジェイド》と《アニス》

 この2人は、直ぐには掴みにくい性格の様だ。そして、アニスの方は何だか裏表が激しそうだ。

 それが、この時のアルの正直な感想だった。

「いやしかし。また 逃がしてしまいましたね……。 おまけに陸路でキムラスカへ行くのは難しくなりました……。 まあ、とりあえず ひとまず撤退しましょう」
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