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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#13 漆黒の翼を追いかけて
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ちょっと危なくないかなぁ……? と楽観的に思っていたのは、ほんの一瞬。
「わ、わぁ! ひ、轢かれるよっ!!」
だから、アルは思わず叫んでいた。道端でぺしゃんこになってしまうのなんて、見たくない。羽虫じゃないんだから。辻馬車だから、人も乗っているだろうし。
因みに、ジェイドや他の兵士達も判っている様であり、落ち着いていた。
「そこの辻馬車道を空けなさい。巻き込まれますよ!」
ジェイドのその忠告が拡声機を使い、周囲にその声が響き渡った。それを聞いた辻馬車はサイドに逸れた。……と言うより、訊く前からタルタロスが接近してきている事に気づいていた様だ。……大きな大きな戦艦だし、それなりの速度で運行しているから、地鳴りが凄い。……気づかない訳が無いだろう。だから、ジェイドに言われる前にもう回避行動を取っていたようだ。
そして、どうにか、道端の潰れた蛙、潰れた赤茄子な事にならなくて済んでいて良かった。
「ほっ………。」
アルは、思わず肩を落とした。だけど、ホッとしたのも束の間。続けざまに、声が響く。
「ジェイド大佐!! 敵は、ローテルロー橋を渡り終え爆薬を放出しています!」
そう、相手はかなりの過激集団。爆薬を使うなど朝飯前の様であり、それは肉眼でも十分視認出来る程、出していた。……確認する事が出来た。
「えええっ!!」
アルは、再び驚愕の事実。
(ばくだん? ばくだんって、あのばくだん!?)
アルの頭の中が凄く混乱していたのだ。それは、顕著に現れていた。吹き飛んでしまう可能性だってある、かもしれないから。……爆弾だから。
「あの程度であれば、この
戦艦
(
タルタロス
)
は大丈夫ですから 落ち着いて下さい、 ……しかしまあ 橋を落として逃げるつもりですか」
ジェイドがそう言ったと同時に、それは来たのだった。
「大佐、フォンスロットの起動が確認できました! 敵は、
第五音素
(
フィフス・フォニム
)
による譜術を発動している様です」
ブリッジに響き渡る。爆弾の次は
第五音素
(
フィフス・フォニム
)
。
(え、えっと……確か第五って……。火の音素だったよね……? うん、間違いない……。それで、 爆弾に火が当たったら……)
アルは、必死に現状を理解しようと頭を回転させた。正直、理解したくなかったかもしれない。だって、爆弾に火と言う組み合せがどう言う事か、どうなるか解ったから。
「ッッ!!……ば、爆発する!?」
だから、またまた叫んでしまった。
ブリッジ
(
ここ
)
にいるのは、本当に心臓に悪い。ジェイドは、アルの叫びを訊いて、にこやかに笑っていた。
「はい。その通りです。第五音素は、イフリート。火の音素です。本当によく勉強していたみたいですね
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