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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#13 漆黒の翼を追いかけて
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を視認する事は出来ました。奴らは《ローテルロー橋》の方角へ逃走中です」
そう告げると、ジェイドは眼鏡をそっと上にあげた。
「なるほど……、キムラスカ王国へ逃げるつもりですか。頭が回るようです。それに、そうされてしまえば、少々厄介ですね。……できれば、その前に捕らえたいものです」
ジェイドはさらに、指示を出していた。威嚇射撃等の手段を踏まえての足止めだ。周辺に一般人がいない事の確認も指示を出していた。
横で見ていたアルは、……この時、強く思った。
確かに悪い人じゃないんだけれど、この人は軍人だ。そして、今正に戦闘中……と言っても差し支えない状況で『何やらとんでもないところに来てしまったようだ……』と、強く思っていた。
ブリッジに入る前から、この軍艦がかなり揺れていたため、その《漆黒の翼》とやらを追いかけているのは想像できた。そして、話を聞いてみると、その《漆黒の翼》は、この辺りでは有名な盗賊らしい。
……つい数週間前までは、家庭教師をしたり、少しの力仕事、そして休日には、のほほん、とサラと一緒に日向ぼっこしたり、更に、ガーランドさんと晩酌を一緒に……、っと言われてたけれど、レイさんに止められたり。つまり、《仄々とした生活》をしてた筈なのに。
あの日、あの時。鉱山でモンスターに、襲われてからなんか方向性が変わりつつある様だ。
アルは、ちょっと悲観的になっちゃったが、アクゼリュスを救うには、マルクトにもキムラスカにも所属していない、中立であるローレライ教団の導師イオンの力が必要だと言う事は、理解出来ている。
アニスとイオンの話を聞いたらわかる。幾ら記憶が無くても、それくらいならわかる。二国の戦争。例えその争いが続いたとしても。仲裁者が入ればその戦争は一時休戦になる可能性は高いのだ。そうなれば、国境に位置するアクゼリュスを救えるかもしれない、……いや、少なくとも住人の避難誘導はできるだろう。
それならば、今はできる事は何でもしよう、とアルは思っていた。何やらここのジェイド大佐は、自分を気に入ってるらしい。(アニス曰く、話を聞きたいと言うだけで、態々軍艦タルタロスにまで乗せる、なんて事は稀中の稀らしい。……正直、迷惑な気もするけれど)
でもそれは考えによっては僥倖であり、幸運だった。導師イオンと一緒と言う状況も、普通であれば中々有り得ない。……ジェイドがどうして、自分の事が気に入っているのかは、判らないが、この幸運を活かすようにしよう、と考えていた。
アルは 暫く考え、結論を出した後、ちらりと、視線を外へと向けた。丁度見えたのはタルタロスの進行上に辻馬車が1台走っているのが見えた。グングン近づいていって、もう数秒後には、接触するだろう。……大きさが違いすぎるから、
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