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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第39話 一番見たくない顔
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なんだな。(………………決して羨ましいとは思わないが。)」
最後の方は限りなく声を殺しながら言っていた。
実はというと、正直あの頃の記憶は、ある種、トラウマと言って良いものだったのだ。
「いえ……」
それを訊いて、シリカは首を左右に振る。
「でもさ。街中で、一緒にいてあんな視線浴びるのは初めてだからな。凄いと思うよ」
キリトもそう返す。リュウキの事は知っているし、体験したけれど、シリカの時の様な事は無かったから。シリカはというと、表情を暗くさせて もう一度首を振った
「……マスコット代わり誘われているだけです。きっと。……それなのに、《竜使いシリカ》なんて呼ばれて……いい気になって……」
いい気になったその代償がピナを失う事だ。そんな自分を許せずシリカは、目に涙を溜めていた。
その時、だった。
「心配ないよ。必ず間に合うから」
キリトがシリカを安心させるように、頭を撫でた。ずっと、興味が無いのか? と思えたリュウキだったけど、この時ばかりは違った。
「……オレも約束は破らない。保障する」
リュウキは、軽くシリカの方を見て、軽く笑みを作っていた。
「あっ……」
シリカはその言葉……キリトとリュウキの言葉を聞いて、凄く安心が出来た。そして、暖かくも感じた。だから、直ぐに涙をとめて涙を拭う事が出来た。
「はい!」
シリカは笑顔でそう答えていた。
暫く歩いていると、やがて道の右側にひときわ大きな二階建ての建物が見えてきた。どうやら、シリカの定宿らしい。
看板には《風見鶏亭》とある。
だが、シリカは何も聞かずに、何も考えず この場所へ連れて来てしまった事に気が付いた。
「あっ……ごめんなさい。お2人のホームは……」
「ああ、いつもは50層なんだけど、今更戻るのも面倒だし、オレはここで泊まろうって思っているよ」
「ん。……オレは特にホームは無いが、同じくだ。大して変わりはしないだろう」
キリトもリュウキもそう答えてくれた。
シリカはそれが嬉しくて堪らないようだった。50と言う言葉を訊いたけれど、基本的にどの街にホームがあってもおかしくはない。転移門があるから 開通しているのであればどの層でも行けるからだ。
シリカは、両手をぱんっ!と叩くと。
「そうですか! ここのチーズケーキがけっこういけるんですよ!」
宿を指をさしながら言っていた。2人とも一緒にいてくれる事が嬉しいのだ。
だけど、その次の瞬間、シリカの表情が……がらりと変わった。
隣にあった道具屋からぞろぞろと4、5人の集団が出てきたのだ。その中で、最後尾にいた1人の女性プレイヤーがこちらの方を見た。シリカはそのプレイヤー
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