暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第39話 一番見たくない顔
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〜第35層 ミーシェ〜
この層の主街区は、白壁に赤い屋根の建物が並ぶ牧歌的な農村の佇まいだった。それほどは大きくないが現在は中層プレイヤーの主戦場となっている事もあって行き交う人の数はかなり多い。
この街に来て 物珍しそうに周囲を見渡すキリトと、あまり興味が無いのか、前の一点のみを見ているリュウキ。シリカはそんな2人が、とても対照的だなぁと改めて思っていた。
それに、装備しているものも、キリトが全体的に黒くて、リュウキが全体的に白い。いや、リュウキの色は厳密には白じゃない、鮮やかに輝く銀色。
全身がそんな目立つ様な色じゃないけど、その髪と同じような銀色が印象的だった。
そんなキリトとリュウキの2人を横目で見ていた時。シリカがフリーになったと言う話を聞きつけたのか。男2人組が近づいてきたのだ。
「おっ! シリカちゃん発見!」
「随分遅かったね? 心配したんだよ!」
男たちは、目をキラキラと輝かせながら話を進めた。シリカが、以前に組んでいたパーティから出た事は、もう出回っている情報だった。勿論、シリカのファンとも言える男達共有だが。
だから、早速発見した男達は、即座に立候補したのだ。
「今度さ? パーティを組もうよ! シリカちゃんの行きたい場所、どこにでも連れて行ってあげる!」
笑顔で近づいてくる2人。勿論シリカは、彼らの事を知っている。その実力も勿論。だからこそ、思うのだ。今のシリカがどうしても行きたい所に行けるのかどうかを。
(……間違いなく、この人たちとじゃ無理だ)
シリカは、そう思った。これから行こうとしている場所を思い浮かべながら。
「あ……あの……お話はありがたいんですけど……」
受け答えが嫌味にならないように一生懸命頭を下げてそれらの話を断ろうとする。考えを張り巡らせ、そして、最終的にリュウキとキリトを交互に見て、2人の腕を両手でとった。
「あたし、暫くこの人たちとパーティを組むことにしたので。すみません」
シリカがそう答えた瞬間。
『ええー、そりゃないよー』と、口々に不満の声を上げながらシリカを取り囲む男達は、胡散臭そうな視線をキリトとリュウキに投げかけた。
キリトは、苦笑いをし リュウキはあからさまに視線を逸らせている。その仕草、そしてその外見を見て、とても強そうには思えなかった。
装備も鎧を着ている訳ではない。ロングコートであり、背負っているのはロングソード。持てる筈なのに盾を装備していない。
「おい、あんた達。見ない顔だけど、抜けがけはやめてもらいたいな。オレらはずっと前から、この子に声をかけてたんだぜ」
はっきり言えば、コチラ側には全く非がない話だ。勿論あの1件が無ければの話だが。
「
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