『祭』 午前〜正午
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ちなみに一夏さんの上は茶色、下は黒い袴。ちょっとぎこちなさを感じるのは多分普段から着ていないからでしょう。
「カルカル〜、次のお嬢様と旦那様だよ〜」
「はーい」
ちなみにのほほんさんは入り口でお客さんを中に知らせる係です。のほほんさんはこの状態でも袖、袴がダボダボの状態のものをあえて選んでいるため、日本の教科書に載っているような十二単みたいになっています。そんなのですからあまり動かなくていい配置についてもらっているわけですが。
あ、でもそろそろ時間ですね。時計を確認してから私は近くの鷹月さんに話しかけます。
「すいません、言っておいた通り知り合いが来ているので迎えに行ってもいいですか?」
「うん大丈夫だよ。あ、ついでに宣伝の看板持って行ってね」
こういうところやっぱりしっかりしています。鷹月さんから1組の場所が書かれた地図と看板を渡されて私は苦笑いをしてしまいます。
看板を振り、地図を配りながら校門へ向かいます。携帯電話を確かめると不在着信の文字が光っています。っと、もう来ているはずですからここら辺にいるはず……
「おーい、カルラ! こっちだこっち!」
「あ、クロエ。そこで……す……か」
声のした方を向くと入り口近くの屋台に並んでいるクロエが見えました。青いワンピースを着たクロエはお世辞抜きで可愛いです。その両手に綿あめと焼きそばとたこ焼きとリンゴ飴の入った袋をぶら下げていなければ……
周りの人もそのギャップからなのかチラチラとクロエを見ています。
「いやー、日本ってのは料理が美味いな!」
「クロエ、まだ午前中ですけどそんなに食べるんですか?」
「食べ切れなかったら分けてやるよ」
私は溜息をつき、とりあえずクロエがタイ焼きを買うのを待ってから移動します。リース先輩の仕事に付き合ってもらうために午前中は自由に過ごしてもらうっていう約束で来てもらっていますし、しょうがないですね。ちなみに校門近くの飲食店は料理部ではなく準備期間が短くて済む3年生が主。料理部は部室で作った料理の試食会を開いているそうです。後で行ってみましょう。とりあえずは2組に行ってみましょう。クロエは食べるのに忙しいみたいですし勝手に決めます! そろそろ喉も渇くでしょうし。
というわけでやってきました一年二組。鈴さんの中華喫茶ですね。
「へいらっしゃい!」
「ちょっと、エリス! 居酒屋じゃないんだからそういうノリやめてくれる!」
出迎えてくれたのは鈴さんと同じチャイナドレスに身を包んだエリスさん。金髪碧眼の少女がチャイナドレスって言うのはまた新鮮です。隣が私たちのクラスのせいなのかお客さんはあまりいませんが待ち時間少なくて済みますね。
「えっと、とりあえず言っと
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